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 | なぜ、今ブレードサーバーなのか?



2018年9月に発表したPowerEdge MXは、キネティック・インフラストラクチャーというユニークなアーキテクチャを採用しています。そして、なぜ、ブレードの形をしたサーバーが必要なのかという疑問にお答えしていきたいと思います。

参考:PowerEdge MXシリーズ登場!(2018年9月27日掲載)
https://japancatalog.dell.com/c/isg20180927/ 

まず、コンポーザブル・インフラストラクチャーという言葉を聞いたことがあるでしょうか?コンピュータが搭載しているリソースには、CPU、メモリ、ストレージ、ネットワーク、アクセラレータ等ありますが、これらのコンピューティングリソースを、仮想サーバーやアプリケーションのニーズに合わせて、サーバーを止めずに構成できるようにすることです。

現在、同様な事が実現されている一つの例として、ハイパーコンバージド・インフラストラクチャー(HCI)があります。これは、サーバーの間でCPUやメモリ、ストレージを仮想プール化し、必要なリソースを仮想サーバーに割り当てる事を可能にしています。そして、将来、必要なリソースの割り当ては、サーバー稼働中でもソフトウェアの機能で出来るようになると考えられています。しかし、物理サーバーが搭載するメモリやアクセラレータは、サーバー間を超えてリソースを割り当てる事が出来ないため、仮想化されても未使用のリソースが存在します。



そこで、PCIバスやメモリバスに接続された低遅延のコンポーネント(アクセラレータやストレージ クラス メモリ(SCM)など)を柔軟に構成するために注目されているのがPCI Expressです。PCI Expressは、レーン数を増やす事により帯域を増やす事ができ、PCI Express 3.0(Gen3)では、16レーン(x16)の双方向で31.51GB/sの転送帯域が規格化されています。Gen3では、最大32レーンまで規格化されており、現在、PCIe x8やx16のスロットを搭載したサーバーが多く提供されています。PCI Expressは5.0(Gen5)まで仕様策定が進んでおり、Gen5ではPCI Express 3.0(Gen3)の4倍の速度になっています。


Source : PCI Express/ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典 https://ja.wikipedia.org/wiki/PCI_Express#PCI_Express_3.0_(Gen3)

このようにPCI Expressは、レーン数(x4, x8, x16など)を柔軟に割り当てる事ができ柔軟な構成が期待できます。

「PowerEdge MX740cの場合」
 2 x PCIe Gen3 x16 メザニン カード スロット (ファブリック AとB)
 1 x PCIe Gen3 x16 ミニ メザニン カード スロット (ファブリック C)
 1 x PCIe Gen3 x8 PERC コントローラ カード
 2 x PCIe Gen3 x4 for BOSS M.2 ハードウェア RAID カード(プラットフォーム・コントローラー・ハブ 経由)

既に、一部のベンダーによりPCI Expressスイッチが製品化されていますが、次世代のインターコネクト技術に関する業界標準化を目指すGen-Z(ジェン・ジー)コンソーシアムにより、ラックスケールでのデータアクセスを簡素化するためのスケーラブルで高性能なファブリック技術を開発しています。2018年11月時点で、Dell EMCを始め62社が参加しています。
Gen-Z:http://www.genzconsortium.org/ 
Gen-Z メンバー:https://genzconsortium.org/about-us/membership/members/ 


参考:https://genzconsortium.org/wp-content/uploads/2018/05/Gen-Z-Overview-V1.pdf

話を元に戻しますが、このGen-Zコンソーシアムで開発されるインターコネクトのインターフェースに対応した製品がPowerEdge MXです。従来のミッドプレーンを利用したモジュールシャーシでは、将来のCPUの性能向上による 熱量の増加 や 電力の追加 、将来メモリチャネルを利用する新しいインターフェース(デバイス)に対応するために直交コネクタを採用し、“ミッドプレーンがない“インフラストラクチャーを開発しました。これにより、気流のために確保するスペースも必要なくなりました。




Source:https://blog.dellemc.com/en-us/journey-to-poweredge-mx/

PowerEdge MXに搭載するコンピューティング スレッド(PowerEdge MX740c)には、現在、下記のようにPCIe Gen3 x16 メザニンカード経由で、25Gbps デュアルポート ネットワークカードが搭載できます。今後提供される新しいインターフェースに対応する場合は、このメザニンカードとPowerEdge MXシャーシの背面にあるIOモジュール(スイッチ)を交換することにより対応可能になります。



そして、Gen-Zスイッチの先に接続されるコンポーネントにより、コンピューティング環境がどのようになるかという疑問があると思います。あくまでも将来像になると思いますが、Gen-Zにより、以下のようなメリットが生まれます。

高帯域幅、低遅延:メモリセマンティクスに基づく単純化されたインターフェース、112GT / s以上にスケーラブルでDRAMクラスの低レイテンシのコンポーネントが接続可能

高度なワークロードとテクノロジ:リアルタイム解析やメモリ内アプリケーションのためのスケーラブルなメモリプールとリソースを備えたデータを中心としたコンピューティングが可能

互換性と経済性:高度なソフトウェア互換性があり、オペレーティングシステムに必要な変更は不要、シンプルで低コストの接続、および、高性能なラックスケールの相互接続に至るまで拡張可能


Source:https://blog.dellemc.com/en-us/composable-infrastructure-today-and-tomorrow/
             https://blog.dellemc.com/en-us/gen-z-an-open-fabric-technology-standard-on-the-journey-to-composability/

まとめ:PowerEdge MXのサーバーはブレード形状になっていますが、それは、従来と同じ物ではなく、モジュール式のアプローチにより、コンピューティング(サーバー)、ストレージ、ネットワーキングを柔軟に組み合わせて構築することができます。モジュール式により必要なコンピューティングリソースを最適化し、そして、将来の技術的進歩に向けた投資を守ることができる製品です。コンポーザブルな世界により、将来を予測することはできませんが、将来を計画することができます。これが、PowerEdge MXが採用したキネティック・インフラストラクチャーです。

次回は、複数シャーシにまたがるシームレスなアプリケーション拡張を支えるために、従来とは異なるPowerEdge MXのネットワークアーキテクチャをご紹介します。

パートナーセールスエンジニア
山田 尚敏



バックナンバー

PowerEdge MXシリーズのご紹介
なぜ、今ブレードサーバーなのか?
モジュラー型サーバーではじめるPowerEdge MXのすゝめ ~製品コンセプトを知ろう~
モジュラー型サーバーではじめるPowerEdge MXのすゝめ ~製品の特徴を知ろう~
モジュラー型サーバーではじめるPowerEdge MXのすゝめ ~MXシリーズの中身①~
モジュラー型サーバーではじめるPowerEdge MXのすゝめ ~MXシリーズの中身②~
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モジュラー型サーバーではじめるPowerEdge MXのすゝめ ~SmartFabricで設定も楽々~
モジュラー型サーバーではじめるPowerEdge MXのすゝめ ~ストレージの活用の仕方~
モジュラー型サーバーではじめるPowerEdge MXのすゝめ ~Templateって何だろう~



 

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