情報ガイドステーションメニュー
| vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN” ~まとめ~ | |
コミュニティブログで大人気だった2ノードvSANブログが復活!! |
■目次・ はじめに・ vSANホスト2台から始めるHCI ・ ライセンスは「Essentials Plus」と「vSAN」 ・ 2ノードvSAN構築時は「Witnessの配置」と「ネットワーク設定」に注意 ・ 2ノードvSANの耐障害性は1重まで、物理NICを2枚用いて堅牢な構成を ・ vSANを運用する上で覚えておくべき3点 ・ 最後に ・ ナベさんのつぶやき ・ コウちゃんの一言 ■はじめに本記事は、SB C&S株式会社と共に執筆した過去記事となり、元掲載サイトの閉鎖に基づき情報ガイドステーションへの再掲載となります。その為、以前と体裁は異なりますが記載内容に変更はありません。 こんにちは、SB C&S株式会社 稲葉です。 「vSANの新たなカタチ“2ノードvSAN”」シリーズではデルさまと実施したVMwareの2ノードvSANに関する検証結果を連載しています。 いよいよ「vSANの新たなカタチ“2ノードvSAN”」シリーズも最終回を迎えることになりました。 最終回となります第8回目では総括としましてこれまで解説してきたことを振り返りながら締めくくりたいと思います。 ■vSANホスト2台から始めるHCI第1回では概要として、2ノードvSANの構成やアーキテクチャーをご紹介しました。[構成] ・2ノードvSANはvSANホスト2台とWitness(仮想アプライアンス)1台で構成するvSAN ・Witnessを稼働させるESXiホストはvSANホストよりもスペックを抑えた構成が可能 ・10Gスイッチは使わず、ESXiホスト間を10GbEのNICで直結することでvSANネットワークを利用できる 3台構成のvSANではvSAN用のESXiホストが3台必要となる上、10Gbスイッチが必要になります。 そのため10数台程度の仮想マシンを稼働させる環境としては費用の面から、敬遠されがちでした。 しかし2ノードvSANは「vSANホスト2台」、「10Gスイッチ不要」とコストを抑えた小規模向けの構成となりますので、仮想マシン10数台程度の小規模な構成を望まれる方に適したHCIと言えるでしょう。 [アーキテクチャー] ・2ノードvSANのアークテクチャーは3ノード以上のvSANと同等 ・ローカルキャッシュのSSDを効率良く使い仮想マシンからのI/O処理を向上 ・データをvSANのESXiホスト間でミラー(FTT=1)することにより単体のホスト障害時もフェイルオーバーで迅速に復旧 2ノードvSANも3ノード以上のvSANと同じアーキテクチャーが使用されていますので台数が少ないから性能が落ちるということはありません。 ローカルに配置されているキャッシュ(SSD)とキャパシティ(HDD)を効果的に使い分けることで、従来のHDDのみの構成よりも高いI/O性能を発揮します。 ESXiホスト間でデータを保持(ミラー)していますので、仮にESXiホスト1台が全損したとしてもデータが欠損することなくフェイルオーバーにより仮想マシンを復旧できます。 ■ライセンスは「Essentials Plus」と「vSAN」第2回では2ノードvSANのライセンスに関するポイントを3つご紹介しました。[ポイント1: 必要なライセンス] 2ノードvSANを構成する上で必要なライセンスは以下の3種類となります。 ・vSphere ・vCenter Server ・vSAN vCenter Server、vSphereのライセンスを購入する際にお勧めしたい製品はVMware vSphere Essentials Plus Kitです。 Essentials Plus KitはESXiホスト3台までといった制限がありますが、「vSphere Essentials plus」と「vCenter Server for Essentials」がセットになりそれぞれの単体ライセンスを購入するより安価となります。 また4台目のESXiホストとなるWitnessには監視用ノードとしてvSphereライセンスが含まれるため、ライセンスの割り当てが不要となり「Essentials Plus Kit」の範囲内(vSphereのライセンス3台分)で構築することができます。 vSANのESXiホストが2台であることから、用意するvSANライセンスも2台分でよく、3台のvSANよりもライセンス数を1台分節約できるメリットがあります。 [ポイント2:ライセンスの割り当て方] 各ライセンスは以下の3点を踏まえて割り当てます。 ・vCenter ServerとvSANのライセンスはvCenter Serverから割り当てる ・vSANを構成するESXiホスト(2台)のvSphereライセンスはvCenter Serverから割り当てる ・3台目の「vCetner ServerとWitnessを稼働させるESXiホスト」はホストクライアントから割り当てる [ポイント3:ライセンス割り当て時の注意点] vSphereのライセンスを割り当てる場合は事前にライセンス分割が必要になります。 これは前提としてvSphereのライセンスキーは1つの場合です。 vSphereのライセンスキーをそのままvCenter Serverに割り当てると「vSANを構成するESXiホスト」にはライセンスが割り当りますが、vCenter Serverの管理外にある「vCetner ServerとWitnessを稼働させるESXiホスト」にはライセンスキーが割り当りません。 そこでライセンスを2つに分割することでvSANを構成するESXiホスト(2台)と「vCetner ServerとWitnessを稼働させるESXiホスト」(1台)に割り当てることができるようになります。 このように2ノードvSANのライセンス割り当てに関しては3ノード以上のvSANと異なる部分がありますので、ご注意ください。 ライセンス割り当て方やライセンス分割について詳細を確認したい方は第2回ライセンスをご覧ください。 ■2ノードvSAN構築時は「Witnessの配置」と「ネットワーク設定」に注意第3回から第5回では2ノードvSANの構築手順を解説しました。ESXiホストやvCenter Serverのインストールに関しては従来の手順となりますが、2ノードvSAN特有の設定として第4回で紹介しました「Witnessの配置」や「Witnessネットワークの設定」が重要になってきます。 「Witnessの配置」はOVAファイルからGUIでの操作で配置ができますが、「Witnessネットワークの設定」は2018年3月時点ではコマンド入力による設定が必要です。この設定を忘れてvSANを有効化すると、エラーが発生します。 2ノードvSANを構築する場合は、3ノード以上のvSAN構築にはない作業があるため注意が必要です。構築手順書を作成する際は、ぜひBack Numberより参照ください。 ■2ノードvSANの耐障害性は1重まで、物理NICを2枚用いて堅牢な構成を第6回では様々な障害を意図的に発生させ、2ノードvSAN環境がどのような挙動となるか解説しました。ESXiホストやWitness、vCenter Serverの停止やネットワークケーブルを抜線するなど計14パターンの障害検証を行い、本ブログではその中から5パターンを解説しています。 検証の結果、1重障害(「ESXiホストが1台停止する」や「10Gネットワークの方系が不通になる」など)であれば、稼働している仮想マシンに影響がない、もしくはフェイルオーバーにより迅速な復旧が可能であることが確認できました。 一方で2重障害(ESXiホストが2台停止、vSANネットワークの両系が不通など)発生時は、仮想マシンの稼働が維持できなくなる場合があることを確認できました。 基本的に2ノードvSANは1重までの耐障害性はあります。 しかし10Gや1Gの物理NICを1枚で構成していた場合、物理NICの故障により2重障害を発生させてしまう場合があります。 物理NICを単一障害点にさせないため、10Gや1Gの物理NIC枚数は2枚にすることをお勧めします。 ■vSANを運用する上で覚えておくべき3点第7回ではvSANを運用する上で実施してはいけないことを3点挙げ、実際に実施したらどうなるかを解説しました。[2ノードvSANでしてはいけない事] 1.vSANクラスタ配下のESXiホストをメンテナンスモードにせずに停止する 2.仮想マシンを停止せずにvSANを無効化する 3.vSANを無効化せずにWitnessをインベントリから除去する vSANを運用される方は、ぜひ一度こちらをご覧いただきトラブル時の参考としていただけると幸いです。 ■最後に2017年7月から公開してきました「vSANの新たなカタチ“2ノードvSAN”」シリーズもいよいよこれで終わりとなります。最後までお付き合いいただきありがとうございました。 第1回公開当初は「2ノードvSAN」という言葉自体、あまり認知されていませんでしたが、本ブログやセミナーなどでの講演活動を通じて、小規模向けのHCIとしてご相談いただけるようになってきました。 小規模向けのvSANをご提案される場合はもちろん、通常の3ノード以上のvSAN構成と比較する場合などにも本シリーズをどうぞご活用ください。 追伸 本ブログで掲載しきれなかった内容や実際の導入事例に基づいたベストプラクティスなど、vSANに関するご相談がありましたら、ぜひ私たちにお声がけください。 (写真左より:敬称略) SB C&S株式会社 小泉 SB C&S株式会社 稲葉 デル・テクノロジーズ株式会社 川奈部 デル・テクノロジーズ株式会社 松尾 ■ナベさんのつぶやきこんにちは、デル・テクノロジーズのSE 川奈部です。2ノードvSANのお話もいよいよ最終回となりました。 最後まで読んでいただいた方、誠にありがとうございました。 今回の2Node vSANの検証は、Dell TechnologiesよりSB C&S様にお声がけさせていただき、PowerEdgeサーバーやスイッチなどの検証機材並びに技術支援もいただきながら、今回このような記事を寄稿いただくに至りました。 SB C&S様にもこの場をお借りして、お礼を申し上げたいと思います。誠にありがとうございました。 2ノード vSANは小規模向けのHCIと謳い文句はいいので、疑心暗鬼になられる方もいらっしゃると思いますが、アーキテクチャーから実装の仕方、障害時の挙動、運用時における注意点など、ご覧の通り裏付けが取れておりますので、単なるキャッチコピーではないということはお分かりいただけたと思います。 デル・テクノロジーズは主力製品であるPowerEdgeサーバーをベースとした、各種HCI製品を販売しております。 vSANもその一つに位置していますが、2ノード vSANという選択肢もあるということを知っておいていただければ幸いです。 HCI製品はぜひデル・テクノロジーズのHCI製品をご検討ください!! ■コウちゃんの一言デル・テクノロジーズ パートナー事業本部にて営業担当をしております、松尾 晃です。読者の皆様、2ノード vSANについて知りたかったこと、懸念していたことなど、払拭できたのではないでしょうか? vSANを含めHCIソリューションは、IT市場のデファクトスタンダードとなるべく急成長市場として期待されております。 2ノード vSANだけでなく、3ノード以上のvSANも含め、HCIソリューションにつきましては、是非、SB C&S株式会社さま、ならびに弊社デル・テクノロジーズまでご相談ください! 皆様の最適なITトランスフォーメーションをお手伝い致します。 今後もSB C&S株式会社さまには、おもしろいコンテンツ投稿をしていただく予定ですので、乞うご期待ください! ======Back Number====== (1) 第1回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~概要~ (2) 第2回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~ライセンス~ (3) 第3回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~作り方(その1:構成編)~ (4) 第4回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~作り方(その2:Witness編)~ (5) 第5回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~作り方(その3:仕上げ編)~ (6) 第6回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~障害検証~ (7) 第7回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~トラブルシューティング~ (8) 第8回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~まとめ~ 関連記事はこちらVxRail攻略Wiki |
タグ: HCI, VMware, vSAN, ハイパーコンバージド