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| vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN” ~概要~ | |
コミュニティブログで大人気だった2ノードvSANブログが復活!! |
■目次・ はじめに・ 2ノードvSANってどんなもの? ・ 2ノードvSANのアーキテクチャ ・ オンラインでの拡張性は? ・ 執筆メンバー紹介 ■はじめに本記事は、SB C&S株式会社と共に執筆した過去記事となり、元掲載サイトの閉鎖に基づき情報ガイドステーションへの再掲載となります。その為、以前と体裁は異なりますが記載内容に変更はありません。 はじめまして。SB C&S株式会社 稲葉と申します。 2ノードvSAN、最近話題になっていますよね。 「2ノードvSANと言うのだから2台のサーバーでvSANを構築するのだろう。」と、思われがちですが、実際にはサーバーが3台必要です。(ネタバレからのスタート) このように名前だけが先行していて、どのような構成でどのように構築できるのか、どの程度の耐障害性を得られるのか、よくわからず導入に踏み切れていない方が多いのではないでしょうか。 そこで実際に2ノードvSANを構築し、デルさまと共同で実験してみました。 今回のブログでは6つのパートに分けて、2ノードvSANを詳しく解説していきます。 第1回:2ノードvSANってどんなもの? 第2回:2ノードvSANのライセンス 第3回:2ノードvSANの作り方(1) 第4回:2ノードvSANの作り方(2) 第5回:2ノードvSANの作り方(3) 第6回:2ノードvSANを耐障害検証 第7回:トラブルシューティング 第8回:まとめ それでは、早速「2ノードvSAN」についてご紹介します。 ■2ノードvSANってどんなもの?vSANは通常3台以上の物理サーバーで構成されますが、2ノードvSANはESXiホスト2台と「Witness」と呼ばれる仮想アプライアンス1台の合計3台で構成します。「Witness」は仮想基板上で動作する仮想アプライアンスで、vSAN以外のESXiホスト上で稼動させます。vCenter ServerもvSAN上に構築することは推奨されていません。そのためvSANを動かすESXiホスト2台のほかに「Witness」と「vCenter Server」を動作させるためのESXiホスト1台が必要になります。 図:2ノードvSANの構成 「Witness」は仮想マシンを稼動させるストレージ領域を持ちません。仮想マシンを稼動させるvSANストレージ領域は、図の2台のESXiホストのローカルディスク部分です。vSANを構成するESXiホストにはSSDとハードディスク(HDD)を使用します。 Witnessを動作させるESXiホストについては高価なSSDは不要です。 また、2台のESXiホスト間を10GbEのネットワークケーブルで直結することにより、高価な10GbEのネットワークスイッチが不要になるというのは2ノードvSANならではのメリットです。図に描かれていませんが、3台のESXiホストはネットワークで通信できる必要があります。 ■2ノードvSANのアーキテクチャ2ノードvSANのアーキテクチャそのものは、通常のvSANと同じです。IOのRead/Writeに関してはキャッシュのSSDを介して、ローカルキャパシティ(*1)に保持される仕組みのため、通常のHDDのみのストレージよりも高速なIO性能を発揮します。 vSANを使用すると、シングルポイントになりえる共有ディスクを使用するより可用性が増します。 仮想マシンのデータは自動的にもう一台のノードに複製(FTT=1)されます。1ノードがダウンした場合でも、もう片方のノードにフェイルオーバーすることにより、すぐに仮想マシンを復旧することができます。 ノードをメンテナンスする場合も、対象のノード上で動作している仮想マシンをvMotionによりあらかじめ別ノードへ移動することで、仮想マシンを停止することなくメンテナンスができます。 ただし、実効容量としては物理容量の半分となるため、サイジングには考慮が必要です。 例) キャパシティ総容量:2TB ⇒ 実使用容量:1TB *1) ローカルキャパシティ:各ノードのローカルディスクを統合した論理領域。データを保持する。 ■オンラインでの拡張性は?3ノード以上のvSANはvCenter Serverからオンラインでのスケールアップやスケールアウトが可能ですが、2ノードvSANのスケールアウトについては3ノードから4ノードへの拡張手順と多少異なります。◆スケールアウトには仮想マシンの停止が推奨 2ノードvSANをスケールアウト(3ノード以上のvSANへ拡張)する場合は10GbEネットワークの切り替えが必要となります。切り替え後、10GbEの疎通が失敗した場合vSANサービスへの影響が懸念されるため、vSAN上の仮想マシンを停止した上で実施することを推奨します。具体的には以下のような操作が必要となります。 ① vSANデータストア上の仮想マシンを全て停止 ② ネットワーク変更(10GbE直結から10GbE ネットワークスイッチ接続に切り替え) ③ Witnessのディスクグループとホスト削除 ④ vSANクラスタに3台目のホストとディスクグループを追加 ⑤ Witnessネットワークとフォールトドメインの削除 ⑥ Witness VMの削除 ◆スケールアップはキャッシュ容量比率にご留意を! スケールアップはvCenter Serverからオンラインでの対応が可能です。注意点としましてはキャパシティ領域が増えることで、ディスクグループ のキャッシュサイズの比率が下がってしまう点です。vSANのキャッシュサイズ比率は、キャパシティとして使用されるデータ(ミラーを考慮しない)の10%以上ということがVMwareのドキュメントに記載されています。 vSAN でのフラッシュ キャッシュ デバイスの設計上の考慮事項 キャパシティを拡張する場合はvSAN内で使用されているデータ量に応じて、キャッシュディスクサイズの変更やディスクグループの追加を検討する必要があります。 以上、簡単ではありますが2ノードvSANの概要についてご紹介させていただきました。 次回は、2ノードvSANのライセンスについてご紹介させていただきます。 ■執筆メンバー紹介(写真左より:敬称略) SB C&S株式会社 小泉 SB C&S株式会社 稲葉 デル・テクノロジーズ株式会社 川奈部 デル・テクノロジーズ株式会社 松尾 執筆者の紹介 会社名:SB C&S株式会社 氏 名:稲葉 直之 略 歴: 12年間IT業務のインフラに関する構築と運用に従事し、2017年にプリセールスへ転向。 プリセールスエンジニアとして、日々製品の検証や製品紹介資料を作成しております。また、製品選定やサイジングなどの構成支援からPoCを行うための貸出機施策を企画するなど、パートナー様のビジネスをサポートする役割も担当しております。様々な検証を通じて得たノウハウを活かしてお客様のご要件に最適な製品ならびにソリューションをご提案いたします。 ナベさんのつぶやき みなさま、はじめまして。 デル・テクノロジーズでパートナーセールスエンジニアをしております、川奈部です。 「2ノードvSANって本当に動くのだろうか?」、「ハードウェア障害が起きた時に、全停止してしまうのでは?」というようなモヤモヤ感を持たれる方は少なからずいらっしゃると思います。実際に私もそうでした。 “2ノードvSANはリアルに動くのか!”これをテーマにSB C&Sさまと実機検証いたしました。 構築の手順や障害時の挙動など、誰もが気になる部分を少しずつ解き明かしてくれますので、この後の内容もご期待ください! SB C&S株式会社 Dell TechnologiesおよびVMwareの認定ディストリビューター。 2013年より6年連続でVMware製品の販売についてディストリビューターとして国内No.1の実績を達成。2017年には、アジア・太平洋および日本でVMwareのソリューション提供にもっとも貢献したディストリビューターとして「Regional Distributor of the Year」を受賞しました。専門的な知識を持ったメンバーがパートナー様のビジネスをサポートいたします。 https://licensecounter.jp/vmware/advantage/ ======Back Number====== (1) 第1回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~概要~ (2) 第2回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~ライセンス~ (3) 第3回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~作り方(その1:構成編)~ (4) 第4回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~作り方(その2:Witness編)~ (5) 第5回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~作り方(その3:仕上げ編)~ (6) 第6回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~障害検証~ (7) 第7回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~トラブルシューティング~ (8) 第8回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~まとめ~ 関連記事はこちらVxRail攻略Wiki |
タグ: HCI, VMware, vSAN, ハイパーコンバージド