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| vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN” ~ライセンス~ | |
コミュニティブログで大人気だった2ノードvSANブログが復活!! |
■目次・ はじめに・ ポイント1:必要なライセンス ・ ポイント2:ライセンスを割り当てるESXiホストとvCenter Serverでの管理対象が異なる ・ ポイント3:ライセンス割り当て時の注意点 ・ ナベさんのつぶやき ■はじめに本記事は、SB C&S株式会社と共に執筆した過去記事となり、元掲載サイトの閉鎖に基づき情報ガイドステーションへの再掲載となります。その為、以前と体裁は異なりますが記載内容に変更はありません。 こんにちは、SB C&S株式会社 稲葉です。 最近話題の「2ノードvSAN」。名前だけが先行していて、どのような構成でどのように構築できるのか、どの程度の耐障害性を得られるのか、よくわからず導入に踏み切れていない方が多いのではないでしょうか。 そこで、わたしたちはデルさまと共同で実際に2ノードvSANを構築し、さまざまな実験をしてみました。 その結果を、8回のシリーズブログにまとめ、詳しく解説していきます。 2回目となる今回は、ライセンスについてご紹介します。 2ノードvSANにおけるライセンスについては、3つの重要なポイントがあります。 ■ポイント1:必要なライセンス2ノードvSAN構築にお勧めするライセンスは以下となります。
VMware vSphere 6 Essentials Plus Kitは、ESXiホスト3台分のvSphereライセンス(1台当たり2CPU、合計6CPU)と当該3台を管理可能なvCenter Server Essentialsがバンドルされたライセンスキットとなります。 VMware HAによる可用性を確保するためにはEssentials Plus Kitが必要となります。 なお、将来的に3ノード以上のvSANへの拡張性が見込まれる場合には、ホスト台数に制限のないVMware vSphere 6 Standard以上のライセンスで構成することもご検討ください。その場合は別途vCenter Server Standardも必要となります。 また、今回の検証環境ではvSANを構成する各ESXiホストにはそれぞれ2つのCPUを搭載しているため、必要なvSANのライセンス数は「4」となります。(下の図の赤枠部分) なお、vSANのライセンスについてはエディションによって利用できる機能が異なります。ご利用される場合はエディションの選択にご注意ください。
参考先:vSANの機能比較 2020.8.1時点 ■ポイント2:ライセンスを割り当てるESXiホストとvCenter Serverでの管理対象が異なる◆ ライセンスを割り当てるESXiホスト2ノードvSANをvSphere 6 Essentials Plus Kitで構成する場合、バンドルされるvSphereライセンスを以下3台のESXiホストに割り当てます。 ・vSANを構成するESXiホスト 2台 ・vCenter ServerとWitnessVMを稼働させるESXiホスト 1台 ◆ vCenter Serverで管理するESXiホスト vSphere 6 Essentials Plus KitにバンドルされるvCenter Server 6 Essentialsは、管理可能なESXiホストの数が3台に制限されます。 しかし、2ノードvSAN環境には以下の通りESXiホストが合計4台存在します。
ここで頭を悩ますのが、どのESXiホストをvCenter Serverで管理する必要があるのかという点です。 答えは、「vSANを構成するESXiホスト」と「WitnessVM(ネストされたESXiホスト)」です。 図で示すと、以下の「レ印」のESXiホストが管理対象となります。 ■ポイント3:ライセンス割り当て時の注意点◆ ESXiライセンス割り当て時の注意点vSphereライセンスをそのままvCenter Serverへ割り当てると「vCenter ServerとWitnessVMを稼働させるESXiホスト(図の右側のホスト)」はライセンスが登録されません。 理由は、「vCenter ServerとWitnessVMを稼働させるESXiホスト」は単体での管理となり、vCenter Serverによるライセンスの一括登録が行えないからです。 赤枠内がvCenter Server管理可です。 2ノードvSANを構成する場合、vSphereライセンスを「2ノードvSANを構成する2台のESXiホスト」と「vCenter ServerとWitnessVMを稼働させるESXiホスト」に割り当てる必要があります。 この対応として2ノードvSANをvSphere 6 Essentials Plus Kitで構成する場合、ライセンスを分割することで解決することができます。 分割したライセンスの割り当てを図で示すと以下の通りです。 赤枠内がvCenter Server管理可です。 なお、WitnessVMには監視用ノードとしてのvSphereのライセンスが含まれているため、別途vSphereライセンスを割り当てる必要はありません。 2020/8/4追記: vSphere 6.5U2以降vCenter Server Essential Plusライセンスを使用した際にWitnessホストはホスト1台としてライセンスにカウントされる不具合が修正されました。そのため、vCenter Server Essential Plusを使用した場合でもESXiホスト3台とWitnessホスト1台を追加することができます。 ————————————————————- VMware vCenter Server 6.5 Update 2 リリース ノートより抜粋 Essentials ライセンスを使用して vCenter Server に監視仮想マシンを追加できない ストレッチ クラスタの監視ホストが仮想マシンに配置されたアプライアンスである場合、ホストのライセンスを誤って使用してしまいます。この問題は、vCenter Server が監視アプライアンスを物理ホストと見なすために発生します。ホストを追加できないライセンスの場合は、vCenter Server に監視アプライアンスを追加することはできません。 回避策:監視アプライアンス仮想マシンを vCenter Server に追加してから物理ホストを追加します。 ————————————————————- ただし3台のESXiホストが登録されている状態でWitnessホストをvCenter Serverに追加するとライセンス不足で追加することができません。Witnessホストを追加する場合はまずESXiホスト3台を追加する前にWitnessホストを追加する必要があります。 以上、2ノードvSANを構築するために必要なライセンスとその注意点をご紹介しました。 「ライセンス」となると身構えてしまう方も多いと思いますが、構成や仕組みをきちんとご理解いただくことで、必要なライセンスについてもご理解いただけたと思います。 本検証においてはデルさまならびにVMwareさまにもご協力をいただいておりますので、ライセンスについても確認済みとなります。皆さま、安心してご提案ください。 次回は、いよいよ「2ノードvSANの作り方」についてご紹介させていただきます。 ■ナベさんのつぶやきみなさま、こんにちは。デル・テクノロジーズの川奈部です。ライセンスの分割と聞いて、え?と思われる方がいらっしゃるかもしれません。 購入したVMwareのライセンスはMy VMwareポータルサイトで管理されています。 ライセンスキーの分割をする場合は、ポータルサイトへのアクセス権限を持ったユーザーでポータルサイトにアクセスし、分割操作を行ってください。 具体的な手順がVMware社のKBに記載されていますので、こちらを参照の上、慎重に作業してください。 How to Divide or Combine License Keys in My VMware with troubleshooting steps (81616) http://kb.vmware.com/kb/81616 ======Back Number====== (1) 第1回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~概要~ (2) 第2回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~ライセンス~ (3) 第3回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~作り方(その1:構成編)~ (4) 第4回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~作り方(その2:Witness編)~ (5) 第5回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~作り方(その3:仕上げ編)~ (6) 第6回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~障害検証~ (7) 第7回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~トラブルシューティング~ (8) 第8回:vSANの新たなカタチ “2ノードvSAN”~まとめ~ 関連記事はこちらVxRail攻略Wiki |
タグ: HCI, VMware, vSAN, ハイパーコンバージド