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 |  クラウドへのバックアップを実現するAPEX Backup Servicesのご紹介






みなさま、こんにちは。

今回は過去にご紹介してきたハードウェア製品の話とはちょっと違った話をしていきたいと思います。

最近Dell Technologiesの営業と接していると最近聞きなれない単語、APEXという単語を耳にすることはありませんか?一方で全く聞いたこともないという方もたくさんいらっしゃるものと思いますが、 Dell Technologiesではハードウェア製品をお客様にご購入いただく形でご提供しているだけではなく、アズ ア サービスとしてハードウェアリソースを従量課金制でご利用いただけるサービスを提供しております。 このようなサービスの総称をAPEXというブランド名で呼んでおります。

APEXについての詳しい話はこちらのページをご参照いただければと思いますが、 今回ご紹介するのは現在(2022年8月現在)APEXとして提供しているサービスのうち、APEX Backup Servicesというサービスになります。



APEX Backup Servicesはその名の通り、データ保護を実現するサービスなのですが、Microsoft 365やGoogle WorkspaceといったSaaSアプリケーションのデータ保護、 普段お使いのクライアントPCやスマートフォンといったエンドポイントデバイスのデータ保護、vSphereやHyper-V上の仮想マシンやOracleやSQL Server等のデータベース、 ファイルサーバー上のファイル等、いわゆる業務インフラ環境のデータ保護といった様々なデータを守るために提供しているサービスとなります。 「え、それは今まで通りPowerEdgeサーバーやPowerProtect DDとバックアップソフトを準備して使うってことでしょ?ハードウェアは購入しなくてよくて、 従量課金で支払いが発生するだけって話と思ったけど・・・・」なんて言うような声が聞こえてきそうですが、それはちょっと違います。

APEX Backup Servicesはバックアップユーザー数やバックアップ先として準備する器の容量に応じてサブスクリプションを契約いただくことで、利用できるサービスとなります。 手持ちのオンプレミス環境でPowerEdgeサーバーやPowerProtect DDを一からセットアップしてバックアップ環境を構築する必要はなく、利用するために必要なものを揃えればサービスとしてすぐに利用できます。 準備するのはAPEX Backup Servicesのサブスクリプション契約、インターネット環境、作業するためのPC、まずはこれらが必要です。バックアップする対象によって準備をするものが+αありますが、 ハードウェアを用意してバックアップ環境を一から組み立てていく必要はありません。ここまでお話してもピンとこなかったかもしれませんが、APEX Backup ServicesはSaaS(Software as a Service)として提供されております。 つまりは、バックアップ環境を自ら構築する必要がなく、バックアップ対象を選んでバックアップ対象に対して少しだけ設定を施すだけでオンプレミス環境にあるデータのバックアップを実現できる、という話になります。 これ以上のハードウェアの管理はちょっと、、、、と思われているお客様にはハードウェアの維持管理が不要でサービスを利用するだけなので、運用にかかる手間を減らすことができます。 ハードウェアばかりを扱っていたメーカーがまさかSaaSを提供しているなんて、誰もそんな風に思っていないでしょうし、ちょっとした驚きをもっていただけるんじゃないでしょうか?

というわけで、今回から数回にわたってこのAPEX Backup ServicesというSaaSについてご紹介していこうと思います。

まずは、APEX Backup Servicesを使って保護できるデータについてみていきましょう。

APEX Backup Servicesの保護対象


以下の図を見てみてください。


データ保護の対象となるデータについては最初の説明でも触れましたが、大きく分けて3つのワークロードのデータに分類されます。
①Microsoft 365やGoogle Workspace、SalesforceといったSaaSサービスで利用している実データ
②PCやスマートフォンのデータ
③オンプレミス環境にある仮想化環境やデータベース、ファイルサーバー等の業務インフラ環境で使用されているデータ

これらの保護データの分類に応じてAPEX Backup Servicesの機能がSaaS Apps、Endpoints、Hybird Workloadという3つのサービスに分けられることになります。
①については、APEX Backup Servicesの中でもSaaS Appsというサービスを利用します。
②についてはEndpointsというサービスを利用します。
③についてはHybrid Workloadsというサービスを利用します。

何かしらのライセンスを買えば、どれでも自由にバックアップが取れるというわけではなく、何をバックアップするかを決めてからサブスクリプションという形でオーダーいただく必要があります。




APEX Backup Servicesのサブスクリプション


サブスクリプションについて触れたので、以下でご紹介をしたいと思います。サービス毎に準備するサブスクリプションが異なります。


サービスによって選択するサブスクリプションは異なるものの、単年ないしは3年~5年分をまとめてオーダーをいただく形になります。またSaaSアプリケーションやエンドポイントはバックアップ対象とするユーザー数を指定する必要があり、 ハイブリッドワークロードについては保存するデータ量に応じたTB単位で容量を指定する必要があります。またサブスクリプション契約と同時にサポート契約も結んでいただく形となります。

APEX Backup Servicesは、パブリッククラウドのサービスのように純粋に使った分だけ課金をするというわけではなく、サブスクリプションとして契約いただき、 その範囲で利用いただく形となります。Microsoft 365のデータのバックアップを1年間、50ユーザー分利用するとなると、xx円という形で利用したいと思った時に1年分のコストがすぐにわかるので、 コストの予測が立てやすい点が特徴と言えると思います。またSaaSであるが故、バックアップ時にインターネット経由でデータのやり取りが発生しますが、この時の上り下り(オンプレからクラウドまたはクラウドからオンプレ。 一般にはクラウドからオンプレへの通信には課金が発生するものが多い)への通信に対して課金が発生するのか?という点を気にされる方も多いかと思いますが、この通信によるコストもサブスクリプションに含まれていますので、 通信費用を気にする必要もありません。パブリッククラウドのサービスほど価格に対する伸縮性や柔軟性はないものの、その分利用しようと思った時のコストが見えやすいという点はメリットと言えるのではないでしょうか。

なお、Saasアプリケーション、エンドポイント、ハイブリッドワークロードの中でもStandardとPremiumと2種類のライセンスが選択可能となっておりますが、ここでの紹介は割愛します。





バックアップの重要性を今一度考える


今更ながらの話にはなりますが、バックアップ、つまりはデータの保護というのは非常に重要なタスクです。データは企業にとっては財産ですし、財産が消えてしまうことの無いように保護することは大事なテーマと言えます。 昨今はランサムウェアによる攻撃の話が世の中をにぎわせておりますが、攻撃を受けてしまったデータの復旧は非常に困難な道をたどることとなります。 この間、業務も停止が不可避な状況にも陥るでしょう。このような非常事態に復旧できるバックアップデータすらない、という状況だと目も当てられないことになってしまいますが、まずは復旧できるデータをしっかり確保することが第一歩となります。 その上でこの復旧できるデータも攻撃されてしまっては困るので、無差別な攻撃から防御する仕組みを準備するケースもありますが、何より元のオリジナルデータが存在している場所とは別の場所にコピーされたデータが保持されている状態を作り出すことが データ保護の基本の一つと言えると思います。バックアップの3-2-1ルールというのを耳にすることもあるかもしれませんが、ランサムウェア対策含め障害に対する対策としては、コピーデータは3つ保持し、異なる媒体に2種類を保存、 オリジナルのデータの場所とは別の場所(オフライン環境)にデータを保管することも大事とされています。

また以前は自社内の環境にあるサーバーやクライアントのデータだけを保護すれば事足りていましたが、Microsoft 365やSalesforce等SaaSを利用するようになり、 AWSやAzure等のPublic Cloudの種々のサービスも利活用されている企業が大幅に増え、自社内の環境にないデータを保護する必要性が出てきました。 バックアップを取り巻く環境は以前とは変わってきており、従来通りの仕組みだけではデータ保護が難しくなってきている側面もあります。そうした背景からも今一度どんなデータをどのように保護するかを改めて考えてみることも大事なことと思います。br>


なお、APEX Backup Servicesは単にクラウド上にデータをバックアップできるだけではなく、ランサムウェア対策となる機能を備えております。




APEX Backup Servicesの利用に向いているユーザーや使いどころは?


現在、満足にバックアップを取っていないユーザー

どういう仕組みであれ、何かしらオリジナルデータとは別にコピーデータとなるデータを保持しておくことは有事(予期しないデータロストやランサムウェア等のマルウェア対策)への備えとして大事なことです。 自分でバックアップ環境を導入したり、維持管理したりするのが難しいユーザーには、APEX Backup Servicesは手軽にサービスとしてバックアップ機能が利用できるので手を付けやすいと思います。 スマートフォンのOSの機能が持つバックアップのように一度どうバックアップするかを決めて設定しておけば自動でバックアップが取られるように動作するので、操作は非常に簡単にデータ保護をすぐに実現できます。


リモートオフィス、ブランチオフィス、工場、等の遠隔地に重要なデータがあり、これを保護したい場合

遠隔地に専用のバックアップ環境を作るのは難しいものと思います。既存の設備はそのままに重要なデータを手軽にバックアップすることができます。


ランサムウェア対策を考えているユーザー

Dell Technologiesにはランサムウェア対策製品としてCyber Recovery Solutionという 製品群を提供しておりますが、APEX Backup Servicesでもランサムウェア対策機能があり、これを利用すること可能です。 オンプレミスのファイルサーバーのバックアップをAPEX Backup Servicesで実現しつつ、ランサムウェア対策もするような使い方が手軽に実現できるものと思います。


バックアップ設備(ハードウェアやソフトウェア)の維持管理による手間を削減したいユーザー

SaaSとして利用いただくことになるので、ユーザーによるバックアップ設備のハードウェアやソフトウェアの維持管理は必要なくなります。


テープ装置とテープメディアを使ったバックアップ運用を見直したいユーザー

APEX Backup Servicesはクラウドへのバックアップを取るので、データの遠隔地保管が実現できます。遠隔地へのデータ保管がMustであるお客様も多いと思いますし、遠隔地保管のためにテープを使われているお客様もまだまだ多いのではないでしょうか? このテープ装置の管理・運用によるコスト(テープの装填・取り出しや輸送費を含む)をクラウドバックアップにより削減することが可能です。上記の設備の維持管理による手間を削減したいケースの典型とも言えると思います。


Microsoft 365をお使いで特に意識してバックアップを取得していないユーザー

Microsoft 365自体にも自動でデータが保持される機能があるので、それで十分とお考えの方も多いでしょう。しかし、Microsoft 365というオンラインサービスがもしも停止してしまった場合、どうしましょう? Microsoft社は提供するサービスについてサービス規約を公開しており、その中でMicrosoft社はオンラインサービスの中断・停止に触れており、これによるデータの損失についての責任を負わない旨を明記しています。 その上でデータの定期的なバックアップ、第三者のアプリケーションやサービスを利用してデータを保管することを勧めております。(以下リンクの6. サービスの可用性 参照)
https://www.microsoft.com/ja-jp/servicesagreement/

また、Microsoft 365についてよく言われるのが退職者のデータの扱いについての話で、社員の退職に伴いMicrosoft 365のアカウントを削除するとそのユーザーのデータは一定期間後に削除されます。 退職後に何か調査が必要になった場合にいざ調査しようとしてもデータが存在しないといったことが起きてしまうことがあります。また業務によっては法令等で長期間データを保管する必要があるケースもあり、バックアップ取得が不可欠となるケースもあります。

Microsoft社の言うデータの保持は、バックアップと同義ではありません。データ損失についてMicrosoft社が責任を負わないと明記している以上、ユーザー側でデータの保護を検討する必要があります。

このような背景を踏まえた上で、Microsoft 365のようなSaaS上のデータを手軽にバックアップしたいという方には、APEX Bakup Serviceは向いていると考えます。


PCのデータのバックアップを取得したいユーザー

PCのデータのバックアップは取られていなかったり、ユーザー任せになっていたりするケースはよくあると思います。また、何かしらでバックアップしたいんだけれどどうしたらいい?という話を聞くことがよくあります。 PCのデータバックアップを放置したりユーザー任せにしたりするのではなく、システム管理者側でバックアップして、データのリストアが必要な場合はユーザーが自身でリストアできるような運用だと 手間も少なくて扱いやすいのではないかと思いますが、APEX Backup Servicesはこれが実現できます。

PCのデータバックアップのために大がかりなバックアップ環境を用意するのがなかなか難しい場合でもAPEX Backup Servicesはユーザー数やバックアップデータ容量に応じて手軽に利用し始めることができ、スモールスタートが可能です。

※ここに挙げた例はあくまで一例にすぎませんので、お客様が想定される使い方にマッチするようであれば、上記の例の限りではありません。


APEX Backup Servicesの利用に“向かない”ユーザー


インターネットへ接続されていない環境、接続できない環境をお使いのユーザー

APEX Backup Servicesを利用するためにはインターネット接続が必要となります。通信要件については、それぞれの機能をご紹介するときに触れたいと思います。


バックアップデータを自社の環境外に持ち出せないユーザー

SaaSとなるためデータの保管先は自社の環境外であるクラウドサービス上に保管されます。APEX Backup Servicesは高度なセキュリティ基準を満たしていますが、 ユーザーのセキュリティポリシーと照らしてデータを外部(社外)に保管できない場合は、残念ながらAPEX Backup Servicesはご利用いただくことはできないと考えます。


サブスクリプションではなく買い切り型で利用したい場合

ハードウェアを購入するときのように一括購入して利用することはできませんので、利用する場合はサブスクリプション契約が必要となります。サブスクリプション契約は最大5年となっており、前払いしていただく形となるのでハードウェアを購入するときと同じような支払いで済む形にはなります。


バックアップ環境や管理画面を自由にカスタマイズして使いたい

ユーザーに付与する権限によって参照する管理画面を制限するような使い方は可能ですが、表示メニューの位置をカスタマイズしたり、個々のバックアップ対象に細かな設定をしてジョブを作ったりするような、 いわゆるユーザー自身による作り込みには限界があります。管理コンソールも含めSaaSの一部として提供されていることもあり自由なカスタマイズには限界があります。 また、SaaSであること、つまりはマネージドサービスでもあるので管理コンソールがユーザーの意思とは関係なくアップグレードされ変更されることがあります。


バックアップ、リストアの速度に対してシビアなユーザー

基本的にバックアップ、リストア時にはインターネットを経由することになるため、どうしても回線速度に依存する部分が出てきます。 高速なバックアップ、リストアが求められるようなケースではクラウドを利用するのではなくバックアップ対象のオンプレミスの機器と同じオンプレミス環境内でバックアップ環境が完結できるように構成することが望ましいと考えます。



以上、APEX Backup Servicesの紹介をさせていただきました。

APEX Backup Servicesについて、ご興味を持っていただいた方やもっとよく知りたい方はぜひこちらのページを見てみてください。

今回はこれからご紹介する各サービスについての前段の話として、文字だらけの読みものとなってしまいましたが、今後は実際にどのように使えるものなのかは、 別の記事で実際の画面を見ていただきながら紹介・解説をしていこうと思いますので、続きの記事もぜひ読んでみてください。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。



パートナーセールスエンジニア 川奈部 真





 

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