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      「BIOSのパフォーマンス設定」の世界

   
       
   
       





■目次

・ 見積もりにある「パワーマネジメントBIOS」てご存知ですか?
・ そもそも「システムプロファイル」って何?
・ ハイパーバイザやOSと電源管理の関係
・ 特定ワークロード向けチューニング関連の情報



おはようございます、こんにちは、こんばんわ。パートナー様担当SEの石塚です。今回は私の代名詞となっているVxRailやVMwareソリューションのお話しでは無く、サーバーのBIOSの世界についてご紹介したいと思います。




■見積もりにある「パワーマネジメントBIOS」てご存知ですか?

今回のテーマはお客様から「見積もりの項目にある「パワーマネジメントBIOS」て何?」と言うご質問からはじまりました。弊社のオンライン構成ツール(Online Solution Configurator : OSC)で以下のように見える要素(パラメータ)のことです。



こちらは弊社のサーバー製品であるPowerEdge R640の例ですが、このような要素が選択することができますが・・・こちらだけだと、かなりPowerEdgeに詳しい方じゃないと分からないかも(汗

と言うことで、まずはここで選択できる3つが何を指しているかと言うと、BIOSで選択できる「システムプロファイル」のことを指しています。システムプロファイルとは電源管理などの特定のシステムパフォーマンス設定を行うことができる「テンプレート」みたいなものです。

「あぁ、それなら知ってる」と言う方も出てくると思いますが、ここで混乱が生じる原因になっているのが「BIOS設定上のパラメータと見積もり要素のパラメータがなぜか違う」ことだと思います。上記の見積もり構成上で見える項目とBIOS設定上のパラメータ名をマッピングすると以下のようになります。



ここまでご説明すると、PowerEdgeを提案、導入されている方ならご存知の方が増えてくると思うのですが、如何でしょうか。ちなみにデフォルトは「パフォーマンスBIOS設定(Performance BIOS)」ですが、パフォーマンスBIOS設定で工場出荷するとEU圏で義務付けられているCEマークが取得できません。(Power Saving BIOS設定などを指定してご発注頂き、納品後に変更するのはCEマーク的に問題ありません。)




■そもそも「システムプロファイル」って何?

あまりPowerEdgeをご存知無い方だと、ここまでの説明では「結局何に使うパラメータなの?」と疑問が残ったままかと思います。ここからはその疑問を解消するためにご説明をしたいと思います。

システムプロファイルとは、上記でも簡単に触れましたが電源管理などの特定のシステムパフォーマンス設定を行うことができる「テンプレート」みたいなものです。CPUやメモリの処理能力は消費電力、処理における発熱状況とそれに対応するための冷却と密接な関係があります。このあたりの話しになってくるとTPD(Thermal Design Power, 熱設計電力)も重要になるのですが、そこは割愛してここでは「何が設定できるのか」にフォーカスします。

まず、このシステムプロファイル名と、それぞれで設定されるパラメータの状況を一覧表にしてみました。(これら以外にもWorkstation Performanceとユーザが全て1つ1つ設定できるCustomがあります。)



かなり色々なパラメータがあり、その設定の組み合わせで目的の処理能力/ワークロードに最適化することができます。しかしながら、細かい設定を1つ1つ組み合わせることでどのような効果が得られるのかを把握するのは知識と労力を必要とすると思います。そこで、我々のPowerEdgeのシステムプロファイルでは「オススメ設定」をシステムプロファイルとしてプリセットしているわけです。

Performance Per Watt Optimized(DAPC)
デル・テクノロジーズの一押し設定で、処理能力と省電力化をバランスよく提供することができます。
BIOSがプロセッサの電力状態を管理できるようにして、パフォーマンス要件を満たしながら、すべての使用率レベルとワークロードタイプで最大化されたパフォーマンス/ワットを実現します。 BIOSは、このモードでシステムのパワーキャッピングも管理します。

Performance Per Watt Optimized(OS)
このモードでは、CPU PowerManagementパラメータはOSDBPMに設定されます。 これはOSがプロセッサの電源管理を制御していることを意味します。 主な制御は、プロセッサの周波数またはパフォーマンス状態(別名P状態、P0、P1 … Pn)、およびプロセッサクロックスロットリング(別名T状態、T0、T1 … Tn)です。 OSは、ノードマネージャの入力とプロセッサの使用率に基づいて、最高の動作パフォーマンスを実現するように電源状態を変更します。

Performance
このモードでは、CPU Power ManagementパラメータはPerformanceに設定され、BIOSがプロセッサを最大のパフォーマンス状態にプログラムできるようにします。

上記の通り、処理能力と消費電力をバランスさせたいならDAPCがオススメのプロファイルです。見積もり構成のデフォルトはPerformanceとなっていますので、一般的な処理を行ううえではこちらでも良いかと思います。




■ハイパーバイザやOSと電源管理の関係

Performance Per Watt Optimized(OS)はOSとやり取りを行うことを前提にしているので、OSがこの機能に対応している必要があります。ハイパーバイザやOSごとに色々な指針が出されていることもあるので、そちらも参考にしてください。

VMware – vSphere7 ホストの電源管理ポリシー
https://docs.vmware.com/jp/VMware-vSphere/7.0/com.vmware.vsphere.resmgmt.doc/GUID-4D1A6F4A-8C99-47C1-A8E6-EF3865603F5B.html

Microsoft – Windows Server 2016 におけるCPUパフォーマンスと電源管理
https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows-server/administration/performance-tuning/hardware/power/power-performance-tuning

Redhat – Which BIOS settings are necessary for the OS to control CPU scaling on Dell Systems
https://access.redhat.com/articles/2207751

今回ご紹介したシステムプロファイルは以下のBIOS設定ガイドに情報が記載されています。英語のドキュメントではありますが、1つ1つのパラメータの意味や影響についても言及されていますので、突き詰めなければならないケースに遭遇していたらご一読ください。

Setting up BIOS on 14th Generation (14G) Dell EMC PowerEdge Servers
https://downloads.dell.com/solutions/general-solution-resources/White%20Papers/Setting_BIOSin14G-Serv%2816Apr2018%29.pdf




■特定ワークロード向けのチューニング

デル・テクノロジーズでは特定のワークロード向けに最適なパフォーマンスが発揮できるように、以下のようなホワイトペーパーやリファレンスガイドをリリースしています。これらのワークロードをお使いになられる場合(なられている場合)は、ご一読頂けるとパフォーマンスのベストプラクティスが把握できるかと思います。

HPC向けBIOSチューニング – BIOS characterization for HPC with Intel Cascade Lake processors
https://www.dell.com/support/kbdoc/jaーjp/000176921/bios-characterization-for-hpc-with-intel-cascade-lake-processors?lang=en

SAP HANA Best Practice
https://infohub.delltechnologies.com/l/validation-guide-poweredge-configuration-and-deployment-best-practices-for-sap-hana-tdi-1/poweredge-settings-10

Microsoft SQL 2019 on Intel Optane Persistent Memory (PMem) Using Dell EMC PowerEdge Servers
https://infohub.delltechnologies.com/l/microsoft-sql-2019-on-intel-optane-persistent-memory-pmem-using-dell-emc-poweredge-servers/configure-the-bios-3

White Paper—Dell EMC Virtual Workstation Solutions for Automotive and Manufacturing
https://infohub.delltechnologies.com/l/white-paper-dell-emc-virtual-workstation-solutions-for-automotive-and-manufacturing/physical-host-configuration

Design Guide—Oracle RAC Database on PowerStore T Storage
https://infohub.delltechnologies.com/l/design-guide-oracle-rac-database-on-powerstore-t-storage/physical-servers-and-esxi-hosts


如何でしたでしょうか。BIOS設定はあまり気にしない方も多いのではないかと思いますが、目的の処理(ワークロード)を実行するのであればぜひオススメしているシステムプロファイル、BIOS設定をまずはお試しください。細かいお話しを始めると、、、かなり「沼」になる領域ではあるのでリファレンスやホワイトペーパーを参考にして頂ければと思います。


パートナーセールスエンジニアリング本部
セールスエンジニア
石塚 智規
2021/03/25






   
       
   
       

 

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