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 |  Dell Technologies World 2022
      – 新しいPowerMax ハイレベルの概要③






前回の記事はこちら → Dell Technologies World 2022 – 新しいPowerMax ハイレベルの概要②


運用の迅速化




米国の市場調査機関であるEnterprise Storage Group(ESG)の調査を見ると、現在のIT環境の運用はさまざまな課題が内在していることが明確にわかります。調査回答者の59%はデータの活用を「自社のビジネスとして捉えている」と認識しており、2年後にはその割合が81%に増加すると予測しています。そして、デジタル ビジネスが加速するにつれ、IT部門に求められることも増えていきます。IT部門は、これまで行っていたシステム運用を効率化させて手間を減らすことが求められます。

ESGはこのレポートで次のように分析しています。

• 調査対象企業の2/3以上のIT部門では、開発者/基幹業務チームをサポートすることを求められており、そのためにはITインフラの導入とプロビジョニングに掛かる時間を短縮させる必要があると考えている。
• 10社中9社のIT部門は、3年前よりも迅速な対応を迫られており、うち半数近くは1.5倍のスピードアップを実現している。

需要が拡大するにつれ、データとITインフラも拡大し、ストレージの無秩序な拡張を招いています。そしてデータの拡大率は日々増え続けています。ESGでは、今後3年間でオンプレミスの容量は平均35%、パブリック クラウドの容量は平均39%増加すると予測しています。

データセンターへの投資も拡大しています。ESGが調査したIT企業のうち、47%が2022年中にデータセンターへの支出を増額させると回答し、その他48%は現在の支出額を維持させると回答しています。そして、ITシステムの規模が拡大するにつれ、複雑さも増していきます。回答者のうち64%は、ITインフラの複雑さが運用を遅らせ、デジタル イニシアチブの妨げになっていることに同意しています。

ITスキル不足も課題になっており、それがコスト増にもつながっています。回答者の39%は、特にITアーキテクチャーとプランニングにおいてスキル不足問題を抱えています。また、76%の回答者は、従来のITシステムの管理業務に加えて、企業のDX目標やイニシアチブに関する業務が増えてしまい、日々プレッシャーを受けています。

最後に、IT オペレーションにおける開発者(DevOpsチーム)の役割と影響力が高まっていることも挙げられます。開発者は、重要なデジタル戦略の設計、構築、実行を担当しており、ビジネスのための新しいデジタル ソリューションの作成に関わるすべてのプロセスを最もよく知ることができるチームなのです。よって、IT運用部門はDevOpsチームと密に連携し、可能な限りサポートする必要があります。

生産性を上げ、リスクを減らし、次に来るものに備えるなど、幾度となく目標を立ててもなかなか実行に移すのは難しいものです。



運用をシンプル化




PowerMaxは、ストレージ運用の自動化とエコシステムの拡大により、ストレージの運用を簡素化してきた長い歴史があります。オープンシステム、仮想化およびコンテナ化されたワークロード、加えてメインフレーム向けの豊富なエンタープライズ ストレージ ソリューションを提供しています。

PowerMaxは、重要なワークロードに必要なストレージを構成し、カスタマイズするための柔軟性と堅牢なセキュリティ フレームワークを提供します。さらに、ストレージ運用を安全に自動化するためのAPIとSDKの拡充を行っています。CloudIQを介して透過的なAIOps機能を提供し、リアルタイムの遠隔測定、修復支援、異常検出機能を実現し、DevOpsフレームワークを実現します。



Unisphere 10




次にPowerMaxのストレージ管理インターフェースであるUnisphereの話をします。最新バージョンのUnisphere 10 はHTML5 Web ベースで開発されたアプリケーションです。また、Unisphere REST APIにより、エコシステム パートナーによるPowerMaxの設定、診断、性能監視のためのツール開発が可能です。Unisphere 10は、PowerMaxのストレージ システムを簡単、自動、安全に管理し、効果的に運用することができます。

ここでは、Unisphere 10のコア機能としてアップデートされたもの一部ご紹介します。

• レポートの強化:Unisphere 10 のダッシュボードでは、可観測性*の良いインターフェースでリソースの遠隔測定、プランニング機能を提供します。
   *システムの出力を有限時間観測することによって、観測開始時のシステムのすべての状態変数の成分を知ることができるか否かという特性
• 応答速度と拡張性:Unisphereのパフォーマンスと操作タスクの応答時間は、Unisphere 10で大幅に改善されました。
• SANヘルス モニタリング:Unisphere 10は、SANファブリックのヘルス モニタリング機能を拡張し、ストレージ管理全般を改善するための重要な指標をレポートします。
• 多要素認証: ストレージのセキュリティ体制を強化するために、MFA機能でトークン ベースの2要素認証を追加しました。
• アルゴリズムによるIT運用:Unisphere 10は、Ansible、vRO、OpenStack、CSI/CSMモジュールなどのツールを使用することが可能となり、自動化に寄与する機能を幅広くサポートしています。
• マルチアレイ スマート プロビジョニング:Unisphere 10では、複数のアレイのストレージ統計情報をリアルタイムで監視し、ワークロードに適したアレイを推奨してくれます。

次のトピックはデータの移行の自動化です。



データモビリティ




PowerMaxのビルトイン移行テクノロジーは、サポートされるPowerMaxおよび非PowerMaxストレージ アレイ間で共通のデータ モビリティを提供します。アレイベースのオーケストレーションとレプリケーション サービスを活用し、オンラインで自動的にデータを検出、設定、移行します。マルチ アレイ ワークロード プランナーは、ストレージ インフラを分析し、ワークロードをホストする最適な場所を推奨します。

次の話題はNVMe/TCPと連携するDellのSmartFabric Storage Softwareでの自動化です。



NVMe/TCPの運用を自動化




PowerMax SmartFabric Storgeソフトウェアは、NVMe/TCPの運用を自動化する業界初のNVMe/TCPエンドツーエンド導入ソリューションです。NVMe/TCPは導入コストの削減が期待できます。SAN設計の複雑さを軽減し、拡張性の高いPowerMax環境の構築を可能にします。

iSCSIでの導入手順と比較すると、SmartFabric Storage Softwareの導入手順は、PowerMax ストレージ リソースの構成にかかる時間を最大44%短縮することができ、全体的にもユーザー エクスペリエンスを簡素化します。



コンテナストレージモジュール




Dell Container Storage Modules(CSM)は、Container Storage Interface(CSI)の基盤の上に構築され、独自の強力なストレージおよびエンタープライズ機能を提供します。CSMは、ストレージとクラウド ネイティブ ステートフル アプリにまたがるDevOpsとITのためのシンプルで一貫した統合と自動化により、Kubernetesのためのエンタープライズ ストレージを現実のものにします。

エンタープライズ ストレージでKubernetesを運用:実績のあるエンタープライズ ストレージでクラウド ネイティブ ワークロードの採用を促進

• Kubernetesのための高性能でレジリエンシーなエンタープライズ ストレージ基盤を実現します。
• 業界をリードするレプリケーション、認証、障害回復、管理などのエンタープライズ機能のフルスタックを提供します。これらの機能により、デプロイメント テストが高速化され、アプリケーション デプロイメントのライフサイクルが短縮されます。
• 開発者とストレージ管理者が、PowerMax Metro smart DRやPowerFlex SDI(Storage Defined Infrastructure)などのDell独自の利点を活用できるようにします。

開発者の支援:開発ライフサイクルの短縮による生産性の向上

• 開発者がエンタープライズ ストレージを簡単に利用できるように、可観測性モジュールでストレージ管理の複雑さを軽減します。
• 完全に統合されたKubernetesソリューションスタックを提供し、開発者とストレージ管理者で同じ体験ができるようにします。
• お客様は、エンタープライズ ストレージとDevOps環境において、一貫した監視、管理、ポリシー適用を利用することができます。

ストレージ運用の自動化:PowerMaxを既存のKubernetesツールセットと統合し、スケーラブルな運用を実現します。

• IaC(Infrastructure as Code)による効率の良いデータ収集と利用を実現します。
• 可観測性モジュールにより、複数のストレージ アレイにストレージプールを作成し、ストレージ管理を最小限に抑えることが可能です。
• Kubernetesの管理者/開発者と従来のIT管理者の間のギャップを埋める統合された体験を提供し、サイロやシャドーITを排除します。パブリック クラウドの代替としてエンタープライズ ストレージを利用できる環境を整えます。



次回はPowerMaxのライフサイクル管理についてご紹介します。

次の記事はこちら → Dell Technologies World 2022 – 新しいPowerMax ハイレベルの概要④



 

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