情報ガイドステーションメニュー
| PowerVault ME4シリーズのよくある質問 |
みなさま、こんにちは。PowerVault MEシリーズの記事としては、だいぶ久しぶりになります。あいにく最近はME4の実機に触れる機会はないのですが、あちこちでME4の話を聞くことが多くなってきました。私自身も時々質問を受けることもあり、少しずつ世に知られてきているのかなと感じているところです。今回この記事を書こうと思ったのは、ME4に関するよくある質問をご紹介して、ここで疑問を解消できればと思ったからなのですが、単にQAを書くだけでは面白くないので、提案に生かせるネタや設計・構築に生かせる情報なども織り交ぜながらお話していこうと思います。 それでは中身に入りたいと思います。 Q1. ME4はvSphereのどのバージョンに対応していますか?2020年8月時点ではvSphere6.5~7.0までのバージョンに対応しています。SASやFC、iSCSIといった接続方式で利用することができます。以下のリンクに詳細の記載があるのでご覧ください。 Supported operating systems VMware社のCompatibility Guideにも記載があります。 VMware Compatibility Guide Q2. ME4はWindows Severのどのバージョンに対応していますか?Windows Server 2012 R2~Windows Server 2019までのバージョンに対応しています。各エディションに対応していますが、詳細な内容は上記リンクのサポートマトリクスに記載があるので、ご覧ください。 Q3. ME4はサーバーとDirectAttachすることができますか?はい、できます。サーバーとストレージ間にスイッチを置かず、いわゆる“直結”構成の話になりますが、DirectAttachは可能です。これについても接続方式毎に情報があるので以下のリンク先の情報をご確認ください。 Supported data protocols Supported Fibre Channel and iSCSI direct-attach configuration operating systems 以前ME4のサンプル構成なるものを作って、ME4で考えられる構成例をパターン化してご紹介していたのですが、こちらの情報が古くなってしまったので、サンプル構成を作り直しました。こちらにもDirectAttach構成の例を入れてありますので、よろしければ見てみてください。ご提案にも活用できる内容になっています。 PowerVault ME4シリーズのサンプル構成(Excel) ※サンプル構成はあくまでサンプルとなりますので、実案件での提案時にはお客様の要求事項を踏まえた上でサンプル構成を参考にカスタマイズしてください。どのお客様環境でも利用できる万能な構成ではありませんので、利用時はご利用者様の責任の範囲でご利用いただけますようお願いします。 Q4. FC接続したいのですが、FCスイッチは販売されていますか?はい、販売しています。Connectrixというブランド名で販売しております。Directorと言われる大規模SAN環境を構築する製品からME4で利用することの多いローエンドモデルまで幅広くラインナップしております。以下にポートフォリオの一部をご紹介します。 上図はME4と接続する際に利用することが多い機種になります。ME4のFCポートは16Gbのインターフェースとなり、上図にある機種は32Gbのインターフェースを持つFCスイッチとして記載されていますが、16Gbでの接続が可能ですので上図の機種から選択ください。なお、上段(白背景)と下段(青背景)でFCスイッチの供給元が異なるため、使用しているOSが異なります。サーバー数台と接続する小規模な環境であれば、上図の左側にあるDS-6610BやMDS-9132Tを選択するとよろしいかと思います。 日本語の情報や詳細な情報が必要な場合は、こちらの製品紹介ページをご覧ください。 Q5. ME4とFCで接続する場合はどの世代のサーバー(第12~14世代)との接続性がありますか?サーバーの世代とME4との接続性を示す情報はありません。サーバーの世代や機種の問題ではなく、ME4と接続する際にインターフェースとなるHBA(Host Bus Adapter)がME4と互換性があるかどうかの判断が必要になります。利用するHBAが搭載可能なサーバーとしてサーバーの世代や機種に依存する部分はありますが、あくまでHBAとME4の互換性という話になります。なお、ME4と接続互換性のあるHBAについては情報がありますので、ME4と接続するサーバーを選定する際には、こちらをご確認の上、HBAを選定してください。 Q6. iSCSI接続したいのですが、どのような機種を選んだらいいでしょうか?Dell Technologiesが提供可能なiSCSI用のスイッチとしては、データセンター向けスイッチ製品としてラインナップしているSシリーズスイッチをご選択いただくのがよいと思います。具体的にはこちらに記載のあるスイッチになります。機種が多くて判断に困るかもしれませんが、接続するサーバー台数によってご判断ください。ME4を利用する環境では接続するサーバーも数十台というケースは稀と思われますが、2~10台ほどであれば、S4112やS4128といった機種を選択いただくのがよろしいかと思います。なお、ご紹介したスイッチラインナップの情報に“iSCSI optimization storage features”という項目があることにお気づきでしょうか。SシリーズスイッチはiSCSI用のスイッチとして利用することを想定した製品(もちろんサービス用途でもご利用いただけます)であることがお分かりいただけると思います。 SシリーズのスイッチはOS10というOSが利用されているのですが、製品のマニュアルページにOS10のバージョンに合わせたユーザーガイドが提供されています。このガイドにiSCSI optimizationについての設定内容をご紹介していますので、これらスイッチをご利用いただく際には内容を確認いただくのがよろしいかと思います。ユーザーガイド(2020年8月時点で最新のもの)のリンクをこちらに貼っておきたいと思います。 『Dell EMC SmartFabric OS10 User Guide Release 10.5.1』 Configure iSCSI optimization 他、利用するOSによって、推奨となる設定(例えば、フロー制御やジャンボフレームなど)についてもそれぞれ記載がありますので、導入作業前には必ず確認するようにしましょう。以下の各資料のiSCSIの項目や”iSCSI” で文字検索したページを参照ください。 『Dell EMC PowerVault ME4 Series ストレージ システム 導入ガイド』 ホストのセットアップの実行 Dell EMC PowerVault ME4 Series and VMwarevSphere Dell EMC PowerVault ME4 Series and Microsoft Hyper-V Dell EMC PowerVault ME4 Series and Linux Q7. SAS接続したいのですが、SASケーブルはどれを選べばいいでしょうか?こちらに記載がありますので、ご確認ください。 Q8. ME4を使う上でのベストプラクティスはないのでしょうか?あります。ベストプラクティスガイドがありますので、ME4のセットアップをする前には以下をご一読ください。 Dell EMC PowerVault ME4 Series Storage System Best Practices Q9. ME4をvSphere環境で使用する予定なのですが、vSphereを使う場合に必要となる推奨設定はありますか?はい、上記でご紹介した資料にはなりますが、こちらに記載があります。サーバーとME4との物理接続図やME4でのLUN対する設定、vSphereのマルチパスの設定やデータストアのサイズ指標など、設計・構築に有益な情報が載っていますのでご確認ください。 Dell EMC PowerVault ME4 Series and VMwarevSphere Q10. ディスク容量をどう見積もったらいいかが分かりません。ディスクの容量計算はどうやったらいいでしょうか?容量はMidrange Sizerというサイジングツールがありますので、こちらで確認することができます。サイジングツールはご登録いただくことでご利用可能ですが、ME4の容量のみならず性能値の目安も含めサイジングができるようになっています。 少しだけですが、使い方をご紹介したいと思います。 ① 上の画面の左メニューにあるSystem Designerを押します。 ② ME4の機種を選択します。ME40xxのxxの箇所は搭載可能なディスク本数を示しています。 ③ 今回はME4024を選択しました。他、ME4を仮想モードで使用するのかリニアモードで利用するのか、ワークロード、Tiering機能を使うのかReadCacheを使うのかなどを指定し、利用したいディスクと本数を選択しながらRAID構成を指定してPoolの構成を決めます。また、HotSpareを指定して、最後にView Resultボタンを押します。 ④ 結果が出力されます。画面右下のFront-End Network Connectivityの箇所でサーバーとの接続方式(FC、iSCSI、SAS)を指定し、Exportボタンを押して内容を保存するとともに結果をExportします。 上の④の箇所を見ていただくとわかる通り、この構成での実効容量や性能値の結果が得られます。 Q11. あとからディスク追加は可能ですか?はい、可能です。但し、ディスクの追加にあたり、新しくディスクグループを作成する形でディスク追加するのか、はたまた既存のディスクグループにディスクを追加する形なのか、によって話が変わります。また使用しているME4のモード(仮想モード or リニアモード)やRAIDレベルによっても、ディスク追加の方法が異なります。 ※仮想モードやリニアモードの違いについてよくわからない方はまずこちらをご覧ください。 新しくディスクグループを作成する形でディスク追加をする場合は、ME4で利用できるRAIDレベルを満たす本数のディスクを用意して新規でディスクグループを構成すればいい話なので、さほどディスク追加の難易度は高くないものと思います。仮想モードであってもリニアモードであってもあまり差のない話になるかと思います。(ME4で利用できるRAIDレベルについてはこちらをご覧ください) 要注意なのが、既存のディスクグループにディスク追加をしたい場合です。今のRAID構成を維持したままディスク容量だけ増やしたいという話はよくありますよね。実際にこの話はよく目にします。 既存のディスクグループへのディスク追加をする場合に、ME4のモードとRAIDレベルによる対応可否が存在します。それを表にしてみました。
表から読み取れることとして、仮想モードでADAPT以外のRAIDレベル(例えばRAID5やRAID6)でディスクグループを構成している場合、このディスクグループにはディスク追加ができず、新規でディスクグループを追加する必要があります。つまり、この場合1本だけディスクを追加したい場合であってもそれができず、新規ディスクグループを追加する必要があるので、最低でもディスクは2本以上必要になることとなります。また既存のディスクグループとRAIDレベルを合わせて新規ディスクグループを構成したいな、という風に考えた場合、既存のディスクグループと同じディスク本数でRAIDレベルを合わせようとすると、ディスクを2本だけ用意すればいいという話でもなく、より多くのディスク本数が必要になるケースが想定できます。容量として1~2本の容量を足せばいいのに、結果5本くらいディスクを買った上でディスクグループ作成作業が必要になってしまうわけです。この辺りはストレージのディスク周りの設計の話になるので、一概にこうだという回答はできないですが、将来的にディスク追加が想定できるようなケースでは導入当初に拡張性もしっかり意識してRAIDレベルを決めたほうがいいでしょう。 また、リニアモードを利用している場合は、RAIDレベルによって一度の追加できるディスク本数やディスクグループあたりの最大本数といった情報も明示されているので、以下に載せておきます。 なお、仮想モードでもリニアモードでも利用できるADAPTについては、ディスク追加は1本から可能です。少しずつディスクを足していくようなケースが想定される場合には、ADAPTを利用するのがよさそうですね。 ここに記載した内容はこちらのページに根拠となる説明書きがあります。ディスク追加をご検討の方はこの記事の内容だけを鵜呑みにせず、必ず製品マニュアルを確認ください。 Q12. ME4を使った事例はありますか?日本国内でのお客様事例として公開している事例は確認できませんでしたが、弊社内でVDIやデータベース環境、映像監視などワークロード別のユースケースを紹介している資料があります。ごく一部ですがご紹介します。 ●VMware Horizon and PowerVault ME4 Storage White Paper ●Dell EMC PowerVault ME4 Series and Microsoft SQL Server ●Dell EMC Storage with Bosch Video Management System (BVMS) Configuration Best Practices ●Dell EMC Storage with Bosch Video Management System (BVMS) Sizing Guide ●White Paper: Dell EMC Ready Solution for HPC Lustre Storage ということで、ME4に関するよくある質問(FAQ)をご紹介させていただきました。ME4の教科書である製品マニュアルだけではなく、参考書のようなホワイトペーパーや各種導入ガイドもME4の製品リリース直後よりも充実してきています。サイジングツールもME4のアーキテクチャーが分かっていれば簡単に操作して結果を出すことができますし、販売から導入に至るまでパートナー様が安心できる材料がたくさんあることが分かっていただけましたでしょうか。さらに言うと以前に私が書いたME4の記事やパートナー様からの寄稿記事もあります。エントリークラスのストレージながら、基本的な情報は十分揃っているといえると思いますので、ぜひこれらをご活用の上、ME4をご提案いただけると大変ありがたいです。 今後も機会があれば、ME4の情報をお伝えしていこうと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 パートナーセールスエンジニア 川奈部 真 2020/8/28 |
タグ: PowerVault ME4, Storage