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 |  SupportAssist EnterpriseからSecure Connect Gateway
  (アプリケーション版)への移行~準備編~









みなさま、こんにちは。今回はSupportAssist EnterpriseからSecure Connect Gatewayへの移行というテーマでお話をしたいと思います。
まず、SupportAssistって何?という方やSecure Connect Gatewayは知らないという方は以下の紹介記事をご覧ください。

 ・ ハードウェア保守の手間から解放!「Dell EMC SupportAssist」のご紹介
 ・ Secure Connect Gatewayのご紹介

両者とも役割は同じです。できることに多少の差異はありますが、機能的にもほぼ同等です。『Secure Connect Gatewayのご紹介』の記事の中でも触れているのですが、SupportAssist Enterpriseという製品は今後Secure Connect Gatewayに一本化されます。 今動いているSupportAssist Enterpriseサーバーはそのまま塩漬けにして運用するし問題ない、と思われた方もいるかも知れませんが、残念ながら塩漬けにはできません。

何故ならば、SupportAssist Enterpriseは2022年7月31日以降、障害を検知してもテクニカルサポートへのサポートケースが生成されなくなり、 実質その機能が失われることになります。そのため、SupportAssist Enterpriseをお使いのお客様はSecure Connect Gatewayへの移行を検討いただく必要が出てきます。

「なんでSupportAssist Enterpriseに移行しなければならないの?そんなのDell Technologiesの都合でしょ?」

そんな声が聞こえてきそうですが、DellとEMCという2社がくっついたことでそれぞれが持っていた類似の製品を統合していく流れであったり、製品のライフサイクルの観点で刷新が必要であったり、 様々な事情からSecure Connect Gatewayに移行が必要となりました。ありがたいことにSupportAssist Enterpriseをご活用いただいているお客様は相当数いらっしゃるということが分かっており、 個別に弊社営業やテクニカルサポートからお話させていただいているケースはありますが、全てのお客様をサポートさせていただいているわけではないと思います。 そのため、このような場を活用して少しでもパートナー様やエンドユーザー様の移行のご支援となる情報をお伝えできればとの思いで、この記事を書いております。

では、これら“移行”の本編に入っていきたいと思いますが、まず今回のお話の前提条件です。
今回は、今お使いの環境でSupportAssist Enterpriseサーバー(バージョン2.x)が稼働しており、Secure Connect Gatewayに移行するとしても同じように使い続けたい、というケースを想定して以下の記事を記載します。 具体的に言うと、SupportAssist EnterpriseをアップグレードしてSecure Connect Gatewayのアプリケーション版を使い続けたい場合の手順となります。 Secure Remote Services(通称SRS)からSecure Connect Gatewayへの移行であったり、SupportAssist EnterpriseからSecure Connect Gatewayのバーチャル版への移行であったり、これらのケースはカバーしておりませんのでご注意ください。


SupportAssist Enterprise(バージョン2.x)からSecure Connect Gateway(アプリケーション版)への移行手順


大まかな流れは以下のようなイメージとなります。


勘のいいかたはお気づきかもしれませんが、ビジネスアカウントやSite ID、アクセスキーという見慣れない単語が並んでいるかと思います。これらの単語はこれまでSupportAssist Enterprise(バージョン2.x)をお使いの方には馴染みがないかと思います。 一方でSupportAssist Enterprise( バージョン4.x)やSecure Remote Servicesをご利用の方はこの単語を見たことがあるのではないかと思います。Secure Connect Gatewayを利用する上では、このビジネスアカウントやSite ID、 アクセスキーが不可欠で、これらを理解することがまず必要になってきます。SupportAssist Enterprise(バージョン2.x)ではこれらを理解して設定する必要はありませんでしたが、Secure Connect Gatewayではこれらがセットアップに不可欠で重要な要素となっていますので、 まずはこれらについて触れていきたいと思います。



ビジネスアカウントとは


まずビジネスアカウントについてです。
ビジネスアカウントはDell Technologiesのサイト上でサービスリクエストを生成したり、各種ソフトウェアをダウンロードしたり、 ドキュメントのダウンロードをしたりする際に使用するお客様情報を登録して使用するアカウントになります。
ビジネスアカウントはSite IDやアクセスキーを生成する際に必要な要素となりますので、必ず準備が必要となります。

サポートサイトの右上のメニューのログインと表示されている箇所で使用するアカウントになります。




なお、ビジネスアカウントはパートナー様向けのサイトで使用するアカウントとは別物になります。
ビジネスアカウントをお持ちでない場合は、こちらの手順に沿ってビジネスアカウントの作成ください。類似の情報となりますが、以下も同等の情報が記載されております。参考までにご紹介しておきます。

 Dell EMC オンラインサポートへのアクセスのための登録方法
 Secure Connect Gatewayのビジネス アカウント – Application Edition
アカウントをお持ちの場合で、新規アカウント作成は不要な場合は、次に進みます。



Site IDとは


次にSite IDについてです。
これはシステム設置先を示したユニークな番号となります。


Site AddressやCity、Stateと表記されているところからも、設置先の情報であることが想像できることと思います。 上の画面は実際にアクセスキーというものを生成する画面で目に触れることになります。アクセスキーが何かについては後述したいと思いますので、ここではアクセスキーというものが必要なんだ、ということだけ頭に入れておいてください。

Site IDはお客様にて作成いただくことが可能です。ただ、Site IDを作成する場合、前提としてビジネスアカウントが必要になります。 新規作成いただく場合は以下の情報を参照いただければと思いますが、Site IDは機器をご購入いただいた際にDell Technologiesの担当営業にてすでに作成されているケースがあります。 特に旧EMC系のストレージ製品を購入いただいたことがあるお客様ではこのケースが当てはまります。このストレージと一緒にDell Technologies製のサーバーやスイッチを購入いただき、 一つのシステムとして利用されている場合は、システムの設置先が同一ということになりますので、すでに作成済みのSite IDをお使いいただくことができます。もしSite IDが分かるようであれば、 手元にSite IDをご準備ください。お使いのSite IDが分からない場合は弊社担当者までご確認ください。

 Dell Technologiesオンラインサポートサイトにおける新たなサイト登録方法

Site IDの取り扱いについては少々ややこしい話になると思いますので、Yes Noチャートで表現してみました。こちらで当てはまるものを確認してみてください。こちらに当てはまらないケースもあるかと思いますが、そのような場合は弊社の担当者までお問合せください。




アクセスキーとは


使用するSecure Connect Gatewayに登録するキーで、お客様情報に基づいて接続を安全に構成するために使われるキーになります。以下の図で示した通り、事前にアクセスキーを生成する必要があるのですが、 アクセスキーを生成するためにはキーを生成するページにビジネスアカウントでログインをし、そのアカウントに関連付いているSite IDを検索してから選択し、ご自身で決めていただいたPINコードを入力することで、 アクセスキーを発行することになります。こちらの手順は実際の作業の流れの中で改めて触れたいと思いますので、今はアクセスキーを作成する必要があるという点だけよく覚えておいてください。


以上のことからも、ビジネスアカウント、Site IDというのが非常に重要な要素として互いに関連性を持っているということがお分かりいただけたのではないかと思います。




SupportAssist Enterprise 2.0.70以降のバージョンへのバージョンアップ


Secure Connect Gateway(アプリケーション版)へのアップグレードの大前提として、SupportAssist Enterpriseのバージョンを2.0.70以降にしておく必要があります。これよりも前のバージョンをお使いの方は、事前に2.0.70以降にバージョンアップをしてください。
現在お使いのバージョンの確認方法が不明な場合は、SupportAssist Enterpriseの管理画面の右上のバージョン情報をクリックするとバージョン情報を確認することができます。





SupportAssist Enterpriseのバージョンアップ


使用しているSupportAssist Enterpriseのバージョンが2.0.70以前のバージョンであることが分かった時は、2.0.70以降のバージョンへのバージョンアップを検討しましょう。
私が使っていた環境では2.0.60を使用していたので、これを現時点(2022年3月)で最新バージョンである2.0.80にバージョンアップする手順を見ていきたいと思います。 使用しているバージョンによっては、画面が多少異なる可能性がありますが、おそらくほぼ変わりないと思いますので、似たような操作でバージョンアップが可能なものと思います。

なお、私の手元の環境の情報を参考までに以下に記載しておきます。
使用しているSupportAssist Enterpriseのバージョン  2.0.60.95
使用しているOS情報  Windows Server 2019 Standard
使用しているHW情報  vSphere上の仮想マシン(バージョン14)

こちらのサイトからSupportAssist Enterprise 2.0.80のexeファイルをダウンロードします。


②ダウンロードしたexeファイルをダブルクリックしてインストーラーを起動し、[アップグレード]を押します。


③完了するまでしばらく(数分)待ちます。完了すると、インストールの完了画面が表示されるので、[完了]を押します。




④ブラウザから管理画面にアクセスして、バージョンアップ後のバージョンを確認します。




SupportAssist Enterprise 2.0.70以降のバージョンへのバージョンアップ後の操作


SupportAssist Enterpriseの管理画面にログインした際に、画面上部に以下のようなメッセージが表示されているケースがあります。これが表示されている場合は、 お使いのバージョンがすでに2.0.70以降のバージョンとなっているはずですが、念のため、バージョン情報をクリックして現在使用中のバージョン情報を確認しておきましょう。


この黄色のバナーメッセージにアップグレードの文字が見えますが、この文字をクリックして、SCGへのアップグレードを行っていきたいと思います。だいぶ話が長くなりましたので、今回はここで一旦終わります。

ここまでSecure Connect Gateway(アプリケーション版)へのバージョンアップする前提の準備作業が完了しました。大事なことなので改めて書きますが、
 1.ビジネスアカウントが何かを理解して、アカウントを作成する(お持ちの方は手元に準備する)
 2.Site IDが何かを理解して、Site IDを作成する(お持ちの方は手元に準備する)
 3.アクセスキーを作成するためのビジネスアカウントとSite IDが必要であることを理解する
 4.SupportAssist Enterpriseのバージョンを2.0.70以降のバージョンにする
 5.Secure Connect Gatewayのアップグレードを促すバナーメッセージを確認する
今回はこれらを理解・準備いただくためにお話させていただきました。

SupportAssist Enterpriseをお使いの方にはあまり馴染みがないお話になりますので、少々わかりづらい話だったかもしれませんが、これまでご紹介してきたDell Technologiesの各種の公式ドキュメントを読みながら内容の理解を深めていただければと思います。

次回はSupportAssist EnterpriseからSecure Connect Gatewayへのアップグレード手順についてご紹介していきたいと思います。

次の記事はこちら→SupportAssist EnterpriseからSecure Connect Gateway(アプリケーション版)への移行~アップグレード作業①~
前の記事はこちら→Secure Connect Gatewayのご紹介



パートナーセールスエンジニア 川奈部 真





 

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