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 | モジュラー型サーバーではじめるPowerEdge MXのすゝめ
       ~製品の特徴を知ろう~
   
       
   
       
   
    





みなさま、こんにちは。前回は製品コンセプトについて触れました。今回は前回の続きの話として、PowerEdge MXシリーズの製品の特徴についてご紹介したいと思います。


■ 製品の特徴

PowerEdge MXシリーズの製品の特徴についていくつか触れてみたいと思います。


● ミッドプレーンが存在しない

HWの最大の特徴としてあげられるのが、Blade型のサーバーでありながらシャーシ内にミッドプレーンが存在しないことです。PowerEdge MXシリーズを構成するコンポーネントとしてコンピュートとスイッチがありますが、これらのコンポーネントがミッドプレーンを介さずダイレクトに接続される構成になっています。

Blade型のサーバーはこのミッドプレーンがSPOFだとよく指摘を受けてきましたが、これが無くなることでそのような指摘を受けることもありません。単にSPOFをなくす意図ではなく、将来の高速インターフェースに対応させ、次世代のサーバーやI/Oモジュールにアップグレードが容易になるようにミッドプレーンというコンポーネントを排除した形で実装されています。





● 長期にわたる製品のライフサイクルへの対応

x86サーバーは一般に新しいCPUが登場するタイミングで新しいモデルが登場します。一般にサーバーを3年位使っていると新しい世代の機種が登場し、今使っている環境にサーバーを増やそうとすると世代が異なるサーバーが混在するようなケースはよくあると思います。こうしたサーバーの製品のライフサイクルに対して、サーバーは新しい製品を入れたが、I/Oモジュールであるスイッチはシャーシを購入した当時に一緒に導入した古いものを使い続けるといったケースはよくある話かと思います。また新しい技術や製品が登場した時にこうしたコンポーネントを刷新したくても、なかなか刷新することが難しい現状があるかと思います。特にBlade型のサーバーですと、ミッドプレーンが存在し、このミッドプレーンが新しいスイッチの規格に対応していなかったり、サーバー側のインターフェースであるNICとの接続でも問題が生じるケースがあったりと、ミッドプレーンが何かと邪魔をしてしまうケースがあります。このように何かと阻害要因となりがちなミッドプレーンが存在しないことで、コンピュートやI/O モジュールのアップデートも容易になります。Gen-Zに対応した製品が登場した時であっても、PowerEdge MXシリーズは既存のコンピュートとI/O モジュールをGen-Z対応のインターフェースやI/O モジュールに換装することで、すぐにGen-Zの高速なインフラ環境を利用することができるようなコンセプトになっています。Gen-Zという観点でもっと言えば、各デバイス間をつなぐインターフェースの規格を標準化しようとしているわけですので、ミッドプレーンがあるとこのGen-Zに対応したコネクタにダイレクトに接続できないことになってしまいます。単にミッドプレーンをなくしたわけではなく、このような背景があってミッドプレーンを排除したわけです。

このようにサーバーやI/Oモジュールをアップデートできることを前提としている製品であるため、サーバーでいうところのチップセット3世代分までの製品にPowerEdge MXシリーズは対応することを約束しております。





● 新技術への対応

Gen-Zにはまだ対応はしていないものの、Gen-Zを実装するまでの間であっても世の中には新しい技術が次々に生まれています。こうした技術を取り込み、実装できるようにPowerEdge MXシリーズのコンピュートやI/Oモジュールは作られています。その一例と言えるのが、SDSへの対応です。現時点(2019年6月時点)では、SDSとしてはvSANに対応していますが、ラック型のサーバーではなくてもSDS環境を実装できるようにNVMeのような高速SSDを複数搭載できる製品になっています。単にvSAN環境を提供できるというだけではなく、PowerEdge MXシリーズならではの機能を使って、vSAN環境をスムーズに構築できるようなハードウェア周り設定機能が提供されています。以下の図を見ていただければ分かるかと思いますが、SDSは一つの例であり、従来型のエンタープライズアプリケーション環境(BigDataやDataAnalyticsといったワークロード)にも対応しており、ラック型サーバーと同等の環境を実装できる製品になっています。




ラック型サーバーと同等という点については、ラック型サーバーにはBOSSと呼んでいるブートデバイスを搭載できますが、このPowerEdge MXシリーズのコンピュートにもBOSSを搭載することができますし、HDDやSSD, NVMeは最大6つ(MX740cの場合)搭載することができます。ストレージ容量が足りなければ、専用のストレージスレッドを搭載することもでき、旧来のBlade型製品よりもHWの拡張性が遥かに高くなっています。搭載できるスイッチのスペックも従来の製品と比べて格段に高くなり、コンピュートとのインターフェースは25Gbが基本となっています。新技術への対応という部分でHW的な遅れを取ることの無いようにHWスペックも十分な製品となっています。



■ Blade型ではなくモジュラー型

Dell EMCはGen-Zを製品化しようとする中で、従来型のBlade型のようなレイアウトを選んではいますが、従来のBlade型の製品が目指した集約率の向上やコンポーネントを集中的に管理するといった話のために、このような見た目の製品になったわけではありません。従来のBlade型の製品はBladeサーバーと呼んでいましたが、Dell EMCではこのPowerEdge MXシリーズをBladeサーバーとは呼んでおらず、モジュラー型と呼んでおり、従来のBlade型サーバーとは一線を画しております。ここまで説明の便宜上、「Blade型」という表現を使ってPowerEdge MXシリーズについて解説をしてきましたが、ここから先はPowerEdge MXシリーズについては、モジュラー型と表現をさせていただこうと思います。



■ 終わりに

PowerEdge MX製品のコンセプトを少しでもご理解いただければと思い、話が長くなってしまいました。オンプレミスでもクラウドでも業務システムを支える基盤としてはサーバーが無くてはならないものではありますが、エンドユーザー様が考えているのはサーバーのHWや管理機能を使いたいわけではなく、業務システムやアプリケーションを使って業務を迅速に確実に行うことです。それを実現する上では様々な製品の選択肢が考えられますが、現時点でも将来においても実現したいことが安定的かつ確実に実現できる製品が必要だと思います。その一翼を担う製品として将来を見据えたコンセプトを持つPowerEdge MXシリーズという選択肢があってもいいのではないかと思います。この先はPowerEdge MXシリーズの中身についてお話させていただくものの、サーバーを使うことがメインではなく、あくまでサーバーはお客様の業務を行う上で一つの部品であるという点を忘れることなく、お話させていただこうと思います。

私からお話させていただくPowerEdge MXシリーズとしての記事の第一話目と二話目は文字ばかりの読みものになってしまいましたが、次からは現時点でPowerEdge MXシリーズが提供している製品のラインナップ、コンポーネントのお話や実装レベルでのお話について触れながら、PowerEdge MX製品の解説をしていきたいと思います。私がこれまで従来型のBlade製品を扱ってきた経験も交えながら、MXの良さに触れながらお話したいと思います。

長くなりましたが、今回はここまでとさせていただきます。最後まで読んでいただきありがとうございました。


パートナーセールスエンジニア 川奈部 真


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