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最終更新日:2022年1月31日
※ 定期的(約3ヶ月目安)に、情報を更新していきたいと考えていますので、リンク切れやまとめて欲しい情報などがあれば、
是非お問い合わせフォームからご連絡ください!
https://japancatalog.dell.com/c/hci_consult_form/

Azure Stack HCI



Dell Technologiesが提供する Microsoft Azure Stack HCI は Microsoft社の認定に基づいたHCIソリューションとなり、 お客様は運用スタイルによって従来のオンプレミス中心の運用となる ”Windows Server” と クラウド運用とした ”Azure Stack HCI” を選ぶ事ができます。

従来のオンプレミス中心の運用では Windows Server の標準機能である Hyper-V とストレージスペースダイレクトを利用し、 仮想マシンでの Windows Server の利用は無制限でソフトウェアライセンスコストを大幅に削減する事ができます。 また、 Azure Stack HCI はサブスクリプション(CPU物理コア課金)にて Azure サービスの一部として提供し、仮想マシンのライセンスは個別で準備します。

Azure Stack HCI ではAzure Portal 上で一つのビューで表示する事ができ、クラウドとオンプレミスのリソースを連携させて利用し、監視、セキュリティ保護することができます。 また、Windows Server 2012/R2 の拡張セキュリティ更新(ESU)プログラムを Azure Stack HCI 環境にリプレースする事で、オンプレミスの環境でもESUプログラムを受ける事ができます。



※1物理プロセッサあたり10ドルとなり、為替によって価格が変動することがあります

Azure Stack HCI OS のサブスクリプションの購入経路は主に4つあります。新規で Microsoft Azure をご契約する場合は以下をご参考ください。


導入サービス、保守サポートについては、検証済のハードウェア構成と実績に基づく経験を生かして、非常にスピーディーな Azure Stack HCI 導入サービスを提供しています。
また、お客様が安心してご利用いただくためのサポートを併せてご提供しており、保守サポートはワンストップでHyper-V、ストレージスペースダイレクト(S2D)などHCIに必要な機能のサポート提供の他、 パーツの故障時も Microsoft社認定パーツの交換を保証し、ミッションクリティカルな業務システムでご利用いただく事が可能です。

Enterprise構築サービス選定ガイド:
https://japancatalog.dell.com/c/enterprise_construction/

サービス概要の補足:
https://i.dell.com/sites/csdocuments/Legal_Docs/ja/jp/dell-emc-prosupport-for-software-for-storage-spaces-direct-ready-nodes-supplement-sd-jp.pdf

Azure サービスの一つとなった Azure Stack HCI は新しいビジネス変革の為に注目度の高いプラットフォームとなっています。 Azureの管理やガバナンスを利用して統合管理し、様々な仮想マシンを動作させるケース、またAzure Kubernetes Service(コンテナ)を利用したアプリ開発を求める場合は Azure Stack HCIが宜しいでしょう。

デル・テクノロジーズでは様々なワークロードに対応する構成オプションを提供しており、オールフラッシュモデル、またハイブリットモデルの全モデルで、小規模な2ノードから16ノードクラスターまで要件によって提供する事ができます。





見積もり・構成に際してまずはAzure Stack HCIに対するシステム要件を整理する必要があります。
既存環境のリプレース(物理/仮想)なのか、新規システムの構築なのか、大きく分けて二種類になるかと思いますが、必要なリソース情報・要件をヒアリングします。
また、既存環境のリプレースの場合はこの章でご紹介するアセスメントツールもございますので、そちらの利用もご検討ください。
ヒアリング項目
 ヒアリング項目としては以下の情報があれば次のサイジングへ進むことができます。(サーバ仮想化を前提にしています。)

◆必須ヒアリング項目(※サイジングを実施する上での必須)
 ・CPUコア数
 ・メモリ容量(GB)
 ・ストレージ容量(GB)

◆その他押さえておくべき項目
 ・ストレージパフォーマンス
   ディスクの構成(All Flash/Hybrid)を選定するため現状パフォーマンス状況を確認しておきます。
   Read:Write比率を確認できるとHybrid構成作成時のキャッシュSSD容量(キャッシュサイズはデータ領域の10%以上必要)の目安になります。
   (パフォーマンス要件が厳しい場合はオールフラシュをお勧め致します)
   パフォーマンス状況の確認は以下で記載のLiveOpticsの利用を検討ください。

 ・Active Directoryサーバーの有無
   Azure Stack HCIはドメイン参加が必須となります。
   既存環境にドメインコントローラー(Active Directory用)があるのであれば、
   今回の提案するAzure Stack HCIを既存ドメイン参加させられるか確認します。
   無い場合はドメインコントローラーを併せて準備する必要があります。

 ・Windows Admin Centerの配置について
   Azure Stack HCIのクラスタ内に配置することも可能です。
   その場合はWindows Admin Center用仮想マシンのリソースを加味ください。
   クラスタ外や既存の物理サーバーなどにインストールする場合、
   Active Directoryの機能を持つマシンにはインストールできませんのでご注意ください。

 ・Microsoft Azureの利用状況及び連携の希望有無
   直接的なリソース要件には関わらないのですが、
   オンプレミスモデル(Windows Serverベース) ハイブリッドクラウドモデル(Azure Stack HCI OS) どちらを選択するかの確認をお願いします。
   Azure Arcを利用してMicrosoft Azure上から Azure Stack HCIの管理をしたいかどうかがポイントと考えます。

 ・ネットワーク環境
   Azure Stack HCI間のネットワーク/管理ネットワーク/VM用のサービスネットワークなど、ネットワーク回りに対する要件もあらかじめ確認が必要です。
   ネットワーク回りの構成例などはこちらをご参照ください。
   

アセスメントについて
   既存環境のリソース把握の手段としておすすめなのがLive Opticsを利用した機器情報収集です。
   このLive Opticsというツールは無償でご利用でき、既存環境のリソースがどのように使われているか簡単に可視化することが可能です。
   

   詳細については、弊社でわかりやすいブログをご用意しておりますので、こちらをご参照ください。

   既存環境のリソース情報として既存ハードウェアの構成を参照することもあるかと思いますが、
   それだけだと読み取れないリソースの使用率やサイジングに役立つ情報も取得することができます。
   例えば対象環境のブロックサイズやRead:Write比率などは中々把握しているお客様は少ないですよね。
   そういった情報も簡単に、かつ無償で取得できるので使わない手はないです!

   上記の情報をご参照いただき、お客様からのヒアリング及び状況に応じてアセスメントを実施し、
   必要なリソースを洗い出していただければと思います。




お客様へのヒアリングや実機調査、Live Optics 等のアセスメントツールを活用した環境調査を実施した後は、必要リソースを元にサイジングを行うこととなります。 Microsoft社からは Azure Stack HCI のシステム要件として、サーバー、ストレージ、ネットワークについての要件が提示されています。
こちらの情報をベースとしてサイジングを行うことになります。

しかし、一つ一つの内容を踏まえてリソース情報を手計算するのは非常に煩雑な作業が伴うため、Dell Technologiesが提供しているサイジングツール、 Azure Stack HCI Sizerを使ってサイジングすることをお勧めします。

Webブラウザを使ってサイジングができるツールとなっていますが、こちらのツールを利用するためには、 Dell Technologies Partner Portalへのアクセス権限が必要となります。 権限がない場合には、権限付与を弊社営業までご依頼ください。

Azure Stack HCI Sizer 上では、必要となるリソース情報を元に機種やCPU、メモリ、ディスク、NIC等のハードウェアリソースを選択することになります。 以下の図のように、この構成ではどのくらいのディスクリソースが確保できるか結果を簡単に出してくれるので、自分で手計算するよりも早く正確に計算結果を出すことができます。

また、Dell Technologiesが提供している Azure Stack HCI の認定モデルだけが表示され、選択可能なリソースも認定済みのリソース容量となっているため、 選択したパーツが実は Azure Stack HCI を利用するにあたり認定されていないパーツだった、といった事故を避けることもできますので、サイジングをする際にはこのツールの利用を強く推奨します。

使用するOSとして Azure Stack HCI OS を選択する場合は、OS Experience Typeの箇所でAzure Stack HCI Operating System を選択の上、先に進むようにしてください。

Azure Stack HCI OS と Windows Server 、どちらを選択するかによって選択可能な機種が異なりますのでご注意ください。

サイジング時のポイント
【Azure Stack HCI Sizer に入力する値について】
Azure Stack HCI Sizer を利用する際には、他の製品の Sizer のように仮想マシンの台数や1仮想マシンあたりのリソース(vCPUやメモリやディスク)を細かく指定してサイジングすることはできません。 そのため、 Azure Stack HCI 環境に移行した場合、どの程度のリソースが必要かリソースの合計値をあらかじめ掴んだ上でサイジングすることが必要となります。

vCPUと物理コアの比率(よく言われるCPUコアレシオ)やメモリやディスクのオーバーコミット等についてはSizer上では計算されませんので、 この辺りの話を考慮してサイジングしたい場合にはSizerに値を投入する前に、あらかじめ必要なリソース合計値に考慮結果を反映させておく必要があります。 つまりSizerに入力する値についての手計算が必要となるということです。これについては、以下のページでも触れている内容になりますので、ご一読いただければと思います。

これについては、以下のページの”■サイジングのポイント”の項目でも触れている内容になりますので、ご一読いただければと思います。
無償のサイジングツール Azure Stack HCI Sizer ~使い方とポイントをご紹介!!~
【ネットワークスイッチの選定】
Azure Stack HCI Sizer の特徴の一つとして、サーバー(AXノード)を含めた周辺機器についても一緒に検討ができる点が挙げられるかと思います。 Azure Stack HCI 環境においては、RDMA(Remote Direct Memory Access)の利用が推奨されており、RDMAが利用できるNICが必要になります。 この NIC と接続するスイッチも当然RDMAに対応したスイッチである必要がありますが、このスイッチの選定に悩むケースが出てくると思います。
しかし、Azure Stack HCI Sizerを使うと、サーバーとセットでRDMA対応スイッチも選定することができます。

単にRDMAを使ってストレージトラフィックが流れるネットワークについての考慮だけなく、仮想マシンが利用するサービス用の ネットワークやOOB(Out of band)いわゆる iDRAC が接続するネットワークについても考慮して、選択すべきスイッチを示してくれます。 ネットワークの物理構成イメージをトポロジーで示してくれるのでネットワーク構成もイメージがしやすいのではないでしょうか。




Azure Stack HCI Sizerによるサイジング結果から、要件を物理リソースへ落とし込めたら実際の機器構成(見積り)を行います。
機器構成については、パートナー様へ提供している Online Solution Configurator(以下OSC)を使うことをお勧めしています。

OSC はDell Technologies 社員もつかっているため、見積りのやり取りがスムーズになるのもメリットの1つです。
ハードウェア本体や各パーツの標準価格(定価)も確認でき、各パーツの納期(Lead Time)も確認できるので、 見積り段階でパーツ不足による納期遅延リスクなどもあらかじめ確認できます。 また、構成チェック機能もあるため構成ができないパーツの組み合わせなどはこの時点でエラーになるため、 後から構成を変更しなければならない事態のほとんどを避けることができます。

ハードウェア構成のリストについてはMicrosoft Azure Stack HCI向けDell EMCソリューションのサポートマトリクスが参考になります。
しかし、OSCでは動作検証済みのハードウェアから選択できるようになっているので、OSCを使うとミスなく構成でき、ラクすることができます。
また、特に構成上重要となるメモリやHDD/SSDなどについては第3章:要件に基づいた構成設計を行う(サイジング)でご紹介した
Microsoft Azure Stack HCI Sizerを参考にするのが良いでしょう。

また、検討した機器構成の消費電力も重要かと思います。
Dell Technologies では、実際の設置場所で使用可能な消費電力なのか、あらかじめ確認するためのツールが用意されています。

電力試算ツール: Enterprise Infrastructure Planning Tool
※ [Click here to Launch EIPT Web] をクリックすると起動します。

CPUやメモリ搭載など、機器見積もりに即したもので試算できるので重宝されています。
※Microsoft Azure Stack HCIのモデル名はPowerEdgeの製品名から選択して下さい。
(例:AX-640 → PowerEdge R640, AX-740 → PowerEdge R740)

構成時の留意事項としては、ディスク構成などによって選択可能なディスクや搭載ルールがあります。
例えば、3.5インチサイズのSATA Diskなど容量を重視する場合などはAX-740などの2Uのモデルを選択する事となります。
また、メモリ搭載ルールに加えて、SSDのキャッシュサイズなどはキャパシティサイズなどによって選べるSSDなどが異なりますので、
Microsoft Azure Stack HCI Sizerを活用して製品を選定していく事が良いでしょう。

またNICを追加する事も構成よって可能です。
Microsoft Azure Stack HCI向けDell EMCソリューションのサポートマトリクスなども参考してください。




◆BIOSパラメーター
 -RDMA設定(※例Qlogicの場合)
  ・リンク速度:SmartAN
  ・NIC + RDMAモード:有効
  ・RDMA操作モード:iWARP
  ・ブートプロトコル:なし
  ・仮想LANモード:無効

◆NICパラメーター
 -NIC RDMA (RoCEの場合) パラメーター
  NetworkDirect Technology ⇒RoCE もしくはRoCEv2
 -Storage Spaces Direct IPアドレス/Subnet/DNS
 -クラスタ管理IPアドレス/Subnet/DNS
 -Service LAN IPアドレス/Subnet/DNS
 -管理IPアドレス(iDRAC)/Subent/DNS
 -VLAN ID

◆Azure Stack HCI OS 標準 パラメーター
 -ホスト名
 -ユーザー名/パスワード/
 -ドメイン名/ユーザー名/パスワード
 -Firewall設定
 -リモートデスクトップ有効化
 -ページファイル設定

◆Azure Stack HCI OS 標準機能
 -Hyper-V
 -フェールオーバークラスタリング
 -DCB(DCBを利用して優先付けする場合)
 -ストレージ レプリカ(ストレッチクラスターの場合)
 -BitLocker(オプション)
 -ファイルサーバー(オプション)
 -FS-データ重複排除モジュール(オプション)
 -RSAT-AD-PowerShellモジュール(オプション)

◆Hyper-Vパラメーター
 -ライブマイグレーションネットワーク設定
 -仮想スイッチ設定
  アサインする物理NIC
  VLANID
  OSとのアダプタ共有
  SR-IOV

◆フェールオーバークラスター パラメーター
 -クラスタ名
 -クラスタ管理IP  -クラスタリング対象ホスト名
 -Quorum領域ファイル共有パス

◆Storage Spaces Direct パラメーター
 -ボリューム情報
 -ボリューム名
 -割り当て容量
 -冗長性(Mirror/Parity)
 -ファイルシステム(CSFVS_NTFS/CSFVS_ReFS)

◆Windows Admin Centerパラメーター
 -インストール先ホスト・インストールフォルダ
 -Azureサブスクリプション(Windows Admin Center経由でAzure 連携時に必要)

◆Microsoft Azure 接続用 パラメーター
 -サブスクリプションID
 -Azure Stack HCI登録用のユーザー・カスタムロール定義

ベストプラクティスの設定値については以下をご参照ください。
Best practices and recommendations | HCI Deployment Guide-Microsoft HCI Solutions from Dell Technologies | Dell Technologies Info Hub



Azure Stack HCIはDell Technologiesの導入サービスを利用いただくか、お客様にて導入作業を実施いただく形で実装することができます。

お客様にて導入作業を実施いただくにあたって、導入認定資格を保持していることや検証機材を保持していることといった諸条件はありませんが、以下が求められます。
 ・Azure Stack HCIの認定モデルであるAXシリーズにて導入を行っていただく必要があること
 ・導入ガイドに沿った手順にて導入作業を行っていただくこと

AXシリーズはPowerEdgeサーバーをベースとした Azure Stack HCI 専用モデルとなる機種ですが、元は同じ PowerEdge だから PowerEdge サーバーを選んでもよいと判断するのはお控えください。
PowerEdge サーバーで AXシリーズのサーバーと完全に同一の構成を組んでセットアップすることでセットアップは可能とは思われますが、 導入後にサポートサービスを利用することになった場合(主に障害発生時)にAzure Stack HCI 環境をAXシリーズではなく PowerEdge サーバーで構成していると問題が生じる可能性があります。
AXシリーズでは Azure Stack HCI 環境で動作認定しているパーツが使用されていますが、 PowerEdgeサーバーの場合、 Azure Stack HCI では認定されていないパーツが存在しています。
そのため、故障が起きた時にAXシリーズを使用していれば、保守部材は認定済みパーツの供給を受けることができますが、PowerEdgeサーバーで Azure Stack HCI を動作させている場合、 保守部材として認定済みのパーツの供給を受けられる保証がありませんのでご注意ください。
◆導入ガイド
構築を行う際に必要な導入ガイドは以下で公開されております。まずこちらをご確認ください。
HCI Deployment Guide-Microsoft HCI Solutions from Dell Technologies

導入前にActive DirectoryやDNSなどの情報、指定のFirmwareバージョンなどの サポートマトリクス といった事前に準備が必要なものの情報が記載されていますので、導入作業を行う方は上記の導入ガイドをよく読んでから作業を実施するようにしてください。



また、上記の導入ガイドからさらに詳細な内容を解説するガイドへのリンクが貼られているケースがあります。
例えば、Azure Stack HCIのネットワーク構成について、ストレージトラフィックと仮想マシンのトラフィックを分離させるべく物理NICのポートの使い分けをする非コンバージド構成と使い分けは行わないコンバージド構成についてです。
これはAzure Stack HCI環境のネットワーク構成をどのように設計するかにより、導入時に設定が異なる箇所になりますが、様々なネットワーク構成を想定してデザインパターンが書かれております。
ネットワークに限らず、このような詳細なドキュメントがある場合には必ず目を通してから、導入作業をするようにしてください。
Network Integration and Host Network Configuration Options



◆スイッチに関する導入パラメータ
第3章のサイジングの箇所でも紹介をしましたが、Azure Stack HCI 環境ではRDMAの利用が推奨されています。ネットワークスイッチにどのようなパラメータが必要なのか気になる方もいるのではないでしょうか。


Fabric Design Center というツールでは実際に実機に投入可能なネットワークスイッチのコンフィグを生成することができるので、こちらを活用してみてください。


Fabric Design Center
※以下はFabric Design Centerについての紹介記事です。
 サーバ、ストレージ、HCI向けネットワーク設計・構築支援ツール Dell EMC Networking 「Fabric Design Center(FDC)」 のご紹介
 ネットワーク設計・構築支援ツール 「Fabric Design Center(FDC)」 の実践編

◆管理ツールの導入
Windows Admin Center
Azure Stack HCI環境を管理するツールとしてWindows Admin Centerの導入を検討ください。Windows Admin Centerについての詳細情報はMicrosoft社が公開しておりますので、内容を確認の上、導入してください。
 Windows Admin Center

特にどこにインストールをして使うのかについては、導入後の運用フェーズに影響が出る話になりますし、導入前でもシステム構成に影響する部分となりますので、よくご検討の上導入をするようにしてください。
 Windows Admin Center 適切なインストールの種類


OpenManage Integration with Microsoft Windows Admin Center (略称OMIMSWAC)
Windows Admin Centerにプラグインする形で利用可能なツールとして、OMIMSWACがあります。
これを使うことで、Windows Admin Center上からハードウェアの詳細情報を取得して表示することができるようになったり、Windows Admin CenterからFirmwareの更新を行ったりというWindows Admin Centerの機能を拡張して利用することができるようになります。
Firmwareの更新といったライフサイクル管理機能を利用する場合は有償のライセンスの購入が必要となりますが、その他機能は無料で利用できます。導入手順は以下に記載がありますので、参考にしてください。
 Windows Admin Centerの拡張機能を使ってみる~その①~
 Windows Admin Centerの拡張機能を使ってみる~その②~


OpenManage Enterprise
ハードウェアの統合管理製品としてOpenManage Enterpriseがありますが、バージョン3.8(2021年12月現在最新)ではAzure Stack HCI についてのサポートの記載はあるものの、AXシリーズをサポートしている旨の明示的な記載がありません。
またOpenManage Enterprise の追加機能であるOpenManage Enterprise SupportAssistについても、AXシリーズについての記載がないため、OpenManage Enterprise製品の利用は推奨できません。


SupportAssist Enterprise
障害発生時にサポートへの自動通報、サポートケースオープンを実現する SupportAssist Enterpriseですが、バージョン2.0.70(2021年12月現在最新)では、AXシリーズはサポートされています。
SupportAssist Enterprise Version 2.0.70 Support Matrix
※SupportAssist Enterprise については、Secure Connect Gateway へのアップグレードを推奨しておりますので、お使いのお客様はアップグレードをご検討ください。


Secure Connect Gateway
SupportAssist Enterprise の後継となる製品としてSecure Connect Gateway という製品が提供されています。 こちらは仮想アプライアンス版とアプリケーション版の2種類が提供されており、それぞれサポートしている製品の範囲が異なります。 現時点(2021年12月時点)で最新バージョンである5.00.5を元にサポート有無を確認しました。

 ・仮想アプライアンス版
以下のサポートマトリクスのP22にAXシリーズの各種製品の記載があり、サポートされています。但し、サポートされるiDRACの Firmware バージョンの制限がありますので、その点もよく確認の上ご利用ください。
Secure Connect Gateway 5.00.05.xy – Virtual Edition Support Matrix

 ・アプリケーション版 以下のサポートマトリクスのP18にAXシリーズの各種製品の記載があり、サポートされています。 但し、サポートされるiDRACのFirmwareバージョンの制限がありますので、その点もよく確認の上ご利用ください。
Secure Connect Gateway 5.00.05.xy – Application Edition Support Matrix

各種の管理ツールについては、導入前にサポートの有無やバージョンを確認してから導入を行ってください。

◆既知の問題点
Dell Technologiesのサポートサイトに既知の問題について記載が出ています。 構築時に予期しない挙動をした場合は、KBを参照することで問題解決の糸口につながるケースがありますので、参照してみてください。
Dell EMC Solutions for Microsoft Azure Stack HCI – Known Issues

Azure Stack HCI環境はなんとなく触っても構築できるとは思いますが、導入ガイドにはDell Technologiesが検証した結果を元にした推奨設定が書かれていることもあり、 お客様にて導入作業をされる場合には必ずガイドを参照した上で導入作業をするようにしてください。




ここまでご紹介させていただいたAzure Stack HCI は、みなさまが普段お使いのWindows Serverの 標準機能で実装されたものでしたが、2020年12月に Microsoftが新しいOSをリリースしました。その名も“Azure Stack HCI OS”です。
その名のとおり、Azure Stack HCI に特化した OS で、ハイブリッドクラウドを強く意識した専用OSです。
つまり、Microsoft が世界のコンピューターと語る Microsoft Azure で オンプレミスのAzure Stack HCI OS のクラスターを管理することを可能にするOSです。


https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure-stack/hci/concepts/updates

【Microsoft Azure で使う新しい利用モデルの特徴】
大きく3つの特徴があり、Microsoft Azure との並行した運用を強く意識した製品になっています。



【Azure Stack HCI には2つの利用モデルがある】
オンプレミスモデル
 Windows Server Datacenter Edition で利用するHCIです。

ハイブリッドモデル
 Azure Stack HCI OS を利用したHCIです。
 ハイブリッドクラウド運用で利用するモデルとなっており、Azure と名の付くとおり、
 オンプレミスモデルとは異なり、利用体系も従量課金(物理コア課金)となっています。
 課金状況はMicrosoft Azure の管理ポータル(Azure Portal)で管理を行うことができますので、
 既にMicrosoft Azure をご利用のお客様はハイブリッドクラウド運用を可能にするソリューションです。
 運用の中で Azure Portal から課金状況の確認なども必要です。



【Azure Stack HCI 2つのカタチ】
基本的な構成要素はオンプレミスモデルとハイブリッドクラウドモデルともに変わらず、サブスク化されるところが
一番の差になっているのがよくわかります。いずれの場合も弊社のAX ノードを使ってAzure Stack HCI を構成します。



【ゲストOSのライセンスは必要な数だけ購入】
Azure Stack HCI 上で動作するゲストOS (Windows Server) のライセンスは、必要な数だけ購入します。



もしくは、事前に用意しない場合は、 Azure 側の従量課金形態で Windows Server を用意することも可能です。
Preview 中は 0$ となっており、最新情報は以下のページをご確認いただくことになります。

・Activate Windows Server VMs using Automatic Virtual Machine Activation
https://docs.microsoft.com/en-us/azure-stack/hci/manage/vm-activate#windows-server-subscription

・Azure Stack HCI pricing
https://azure.microsoft.com/en-us/pricing/details/azure-stack/hci/

【ライセンスの注意事項】
Azure Stack HCI OS をご利用の場合、ご注文いただく際にいくつかの注意事項があります。以下をご確認ください。
また、お客様によってオンプレミスモデルがマッチするのか、ハイブリッドクラウドモデルがマッチするのかは異なります。
Azure Stack HCI OSの検討時に現在の運用環境を精査し、Azure Stack HCI OSがマッチしているかきちんと確認することをオススメします。



【Azure Stack HCI OS の日々の運用ツール】
Azure Stack HCI OS は、Microsoft Azure への接続が必須のHCIです。
製品コンセプトとして、 Microsoft Azure の各種サービスをAzure Arc 経由で Azure Stack HCI で利用可能になるため、Azure Portal の利用しつつ、柔軟に運用していくことなります。

■Windows Admin Center(WAC)
メインで使うツールで、仮想マシンの作成・削除など、日々の運用で使用します。
S2D ボリュームの切り出しなどもWACから可能になうことができます。

・Windows Admin Center についてのドキュメント
https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows-server/manage/windows-admin-center/use/manage-servers

・Windows Admin Center のプラグインOMIMSWAC
専用のプラグイン(OMIMSWAC:OpenManage Integration with Microsoft Windows Admin Center)を使うことによって、 Windows Admin Center からサーバーのハードウェア監視はもちろんのこと、Azure Stack HCI OSは CPU 1物理コアあたり 10$ の課金が発生するため、 コスト節約のために物理コア数を制限する、といった機能まで実装されています。
弊社のSEが OMIMSWACの解説ブログを書いていますので、是非ご参照ください。 Windows Admin Centerの拡張機能を使ってみる
https://japancatalog.dell.com/c/isg_blog_windows-admin-center_03/



■フェールオーバークラスターマネージャ
Windows Server 2008 のときから存在する昔ながらのフェールオーバークラスターを使っているので、補助的な位置づけで使用します。
クラスタディスクの所有者の確認などもフェールオーバークラスターマネージャから可能です。

■Hyper-V マネージャ
Windows Server 2008 のときから存在する昔ながらのツールです。
仮想マシンの細かい編集やHyper-Vそのものの設定変更時に使うことがあります。
補助的な位置づけで使用します

■Azure Portal (Microsoft Azure)
Azure 側のサービスと連携時に使用します。(Azure Arc, Azure Monitor etc)
しかし、Windows Admin CenterからAzure 側のサービスの設定を行えるものもありますので、状況に応じて使い分けることになります。

【Azure Stack HCI および ハードウェアの保守の流れ for CSP】
Azure Stack HCI OS 利用時は Azure サブスクリプションの購入経路や購入内容によって、導入後のサポート体制や流れがそれぞれです。
ここでは一例として、CSP(Cloud Solution Provider) から Azure サブスクリプションを購入した際の例を記載いたします。
基本的な考え方として、Azure Stack HCIまたはハードウェアの内容の場合は、弊社にお問い合わせいただき、 Azure サービスの内容の場合は、CSPでサポートというのが基本です。
AXノード(動作検証済みモデル)のAzure Stack HCI はHCIに纏わるトラブル/お問い合わせは、弊社でサポートを提供いたします。
弊社では、お問い合わせ元がお客様(E/U様)・パートナー様何れの場合においても、
AXノードのTAGベース(保守ダグ)でお問い合わせをいただければサポート提供可能です。
もし、お客様がAzure側(クラウド側)の内容を弊社にお問い合わせ頂いた場合、Azure Stack HCI またはハードウェアの内容かどうか確認の上、その旨をお客様に返答いたします。

【Azure Stack HCI の保守に関する資料】

Azure Stack HCI サポートサービス概要

Azure Stack HCI を利用する上でどのような保守サービスを受けることができるのか理解できる資料です。 一方でサービス対象外の記載もございますので、できることできないことを理解することができます。

エンタープライズ向けサポートサービス概要(ProSupport Plus)

Azure Stack HCI を利用する上で、ProSupport Plus という保守契約にご加入いただくお客様がほとんどで、 ProSupport Plusではどのようなサービスを提供しているのかを理解するための資料になります。

【管理ツール・UPSに関する情報】

Windows Admin Center を理解!
  Windows Admin Centerを使ってPowerEdgeサーバーを管理してみよう

故障時には自動通報!
  ハードウェア保守の手間から解放!「Dell EMC SupportAssist」のご紹介

Azure Stack HCI ではどのUPSを使えばいいの?
  Windows Serverだけで作るHCI Dell EMC Solutions for Microsoft Azure Stack HCI ~UPSソリューションズのシャットダウンボックスが完全対応!~

  もう迷わない!HCI環境のUPS選定 シャットダウンについて



もしAzure Stack HCI に関してご質問ありましたら、以下のフォームから気軽にお問い合わせください。
https://japancatalog.dell.com/c/hci_consult_form/
 ・パートナー様、エンドユーザー様、どなたでもご質問いただけます。
 ・些細なことでも結構ですので、ぜひお問い合わせください!

Windows Server HCI



Dell Technologiesが提供する Azure Stack HCIは Microsoft社の認定に基づいたHCIソリューションとなり、 お客様は運用スタイルによって従来のオンプレミス中心の運用となる ”Windows Server” と クラウド運用とした ”Azure Stack HCI” を選ぶ事ができます。

従来のオンプレミス中心の運用では Windows Server の標準機能であるHyper-Vとストレージスペースダイレクトを利用し、 仮想マシンでの Windows Server の利用は無制限でソフトウェアライセンスコストを大幅に削減する事ができます。 また、Azure Stack HCIはサブスクリプション(CPU物理コア課金)にてAzureサービスの一部として提供し、仮想マシンのライセンスは個別で準備します。



導入サービス、保守サポートについては、検証済のハードウェア構成と実績に基づく経験を生かして、非常にスピーディーなAzure Stack HCI 導入サービスを提供しています。 また、お客様が安心してご利用いただくためのサポートを併せてご提供しており、保守サポートはワンストップでフェールオーバークラスター、Hyper-V、 ストレージスペースダイレクト(S2D)などHCIに必要機能のサポート提供の他、パーツの故障時も Microsoft社認定パーツの交換を保証し、ミッションクリティカルな業務システムでご利用いただく事が可能です。


Enterprise構築サービス選定ガイド:
https://japancatalog.dell.com/c/enterprise_construction/

サービス概要の補足:
https://i.dell.com/sites/csdocuments/Legal_Docs/ja/jp/dell-emc-prosupport-for-software-for-storage-spaces-direct-ready-nodes-supplement-sd-jp.pdf

Windows Server は既に多くのお客様でご利用されているかと思います。従来の Windows Server の運用と同じようにオンプレミスが中心で、 Windows Server の仮想マシンを無制限に利用したい場合、また Windows Admin CenterやSystem Center での管理で十分な場合は Windows Server でのHCIが宜しいでしょう。

デル・テクノロジーズでは様々なワークロードに対応する構成オプションを提供しており、オールフラッシュモデル、 またハイブリットモデルの全モデルで、小規模な2ノードから16ノードクラスターまで要件によって提供する事ができます。





見積もり・構成に際してまずはAzure Stack HCIに対するシステム要件を整理する必要があります。
既存環境のリプレース(物理/仮想)なのか、新規システムの構築なのか、大きく分けて二種類になるかと思いますが、必要なリソース情報・要件をヒアリングします。
また、既存環境のリプレースの場合はこの章でご紹介するアセスメントツールもございますので、そちらの利用もご検討ください。
ヒアリング項目
 ヒアリング項目としては以下の情報があれば次のサイジングへ進むことができます。(サーバ仮想化を前提にしています。)

◆必須ヒアリング項目(※サイジングを実施する上での必須)
 ・CPUコア数
 ・メモリ容量(GB)
 ・ストレージ容量(GB)

◆その他押さえておくべき項目
 ・ストレージパフォーマンス
   ディスクの構成(All Flash/Hybrid)を選定するため現状パフォーマンス状況を確認しておきます。
   Read:Write比率を確認できるとHybrid構成作成時のキャッシュSSD容量(キャッシュサイズはデータ領域の10%以上必要)の目安になります。
   (パフォーマンス要件が厳しい場合はオールフラシュをお勧め致します)
   パフォーマンス状況の確認は以下で記載のLiveOpticsの利用を検討ください。

 ・Active Directoryサーバーの有無
   Azure Stack HCIはドメイン参加が必須となります。
   既存環境にドメインコントローラー(Active Directory用)があるのであれば、
   今回の提案するAzure Stack HCIを既存ドメイン参加させられるか確認します。
   無い場合はドメインコントローラーを併せて準備する必要があります。

 ・Windows Admin Centerの配置について
   Azure Stack HCIのクラスタ内に配置することも可能です。
   その場合はWindows Admin Center用仮想マシンのリソースを加味ください。
   クラスタ外や既存の物理サーバーなどにインストールする場合、
   Active Directoryの機能を持つマシンにはインストールできませんのでご注意ください。

 ・Microsoft Azureの利用状況及び連携の希望有無
   直接的なリソース要件には関わらないのですが、
   オンプレミスモデル(Windows Serverベース) ハイブリッドクラウドモデル(Azure Stack HCI OS) どちらを選択するかの確認をお願いします。
   Azure Arcを利用してMicrosoft Azure上から Azure Stack HCIの管理をしたいかどうかがポイントと考えます。

 ・ネットワーク環境
   Azure Stack HCI間のネットワーク/管理ネットワーク/VM用のサービスネットワークなど、ネットワーク回りに対する要件もあらかじめ確認が必要です。
   ネットワーク回りの構成例などはこちらをご参照ください。
   

アセスメントについて
   既存環境のリソース把握の手段としておすすめなのがLive Opticsを利用した機器情報収集です。
   このLive Opticsというツールは無償でご利用でき、既存環境のリソースがどのように使われているか簡単に可視化することが可能です。
   

   詳細については、弊社でわかりやすいブログをご用意しておりますので、こちらをご参照ください。

   既存環境のリソース情報として既存ハードウェアの構成を参照することもあるかと思いますが、
   それだけだと読み取れないリソースの使用率やサイジングに役立つ情報も取得することができます。
   例えば対象環境のブロックサイズやRead:Write比率などは中々把握しているお客様は少ないですよね。
   そういった情報も簡単に、かつ無償で取得できるので使わない手はないです!

   上記の情報をご参照いただき、お客様からのヒアリング及び状況に応じてアセスメントを実施し、
   必要なリソースを洗い出していただければと思います。




お客様へのヒアリングや実機調査、Live Optics等のアセスメントツールを活用した環境調査を実施した後は、必要リソースを元にサイジングを行います。

Microsoft社からはAzure Stack HCIのシステム要件として、サーバー、ストレージ、ネットワークについての要件が提示されています。 こちらの情報をベースとしてサイジングを行うことになります。

しかし、一つ一つの内容を踏まえてリソース情報を手計算するのは非常に煩雑な作業が伴うため、Dell Technologiesが提供しているサイジングツール、 Azure Stack HCI Sizerを使ってサイジングすることをお勧めします。 Webブラウザを使ってサイジングができるツールとなっていますが、こちらのツールを利用するためには、 Dell Technologies Partner Portalへのアクセス権限が必要となります。

権限がない場合には、権限付与を弊社営業までご依頼ください。

Azure Stack HCI Sizer上では、必要となるリソース情報を元に機種やCPU、メモリ、ディスク、NIC等のハードウェアリソースを選択することになります。
以下の図のように、この構成ではどのくらいのディスクリソースが確保できるか結果を簡単に出してくれるので、自分で手計算するよりも早く正確に計算結果を出すことができます。

また、Dell Technologiesが提供しているAzure Stack HCIの認定モデルだけが表示され、選択可能なリソースも認定済みのリソース容量となっているため、 選択したパーツが実はAzure Stack HCIを利用するにあたり認定されていないパーツだった、といった事故を避けることもできますので、サイジングをする際にはこのツールの利用を強く推奨します。



サイジング時のポイント
【Sizerに入力する値について】
Azure Stack HCI Sizerを利用する際には、他の製品のSizerのように仮想マシンの台数や1仮想マシンあたりのリソース(vCPUやメモリやディスク)を細かく指定してサイジングすることはできません。 そのため、Azure Stack HCI環境に移行した場合、どの程度のリソースが必要かリソースの合計値をあらかじめ掴んだ上でサイジングすることが必要となります。

vCPUと物理コアの比率(よく言われるCPUコアレシオ)やメモリやディスクのオーバーコミット等についてはSizer上では計算されませんので、この辺りの話を考慮してサイジングしたい場合にはSizerに値を入力する前に、 あらかじめ必要なリソース合計値に結果を反映させておく必要があります。つまりSizerに投入する値についての手計算が必要となるということです。

これについては、以下のページの”■サイジングのポイント”の項目でも触れている内容になりますので、ご一読いただければと思います。
無償のサイジングツール Azure Stack HCI Sizer ~使い方とポイントをご紹介!!~
【ネットワークスイッチの選定】
Azure Stack HCI Sizerの特徴の一つとして、サーバーを含めた周辺機器についても一緒に検討ができる点が挙げられるかと思います。 Azure Stack HCI 環境においては、RDMA(Remote Direct Memory Access)の利用が推奨されており、RDMAが利用できるNICが必要になります。 このNICと接続するスイッチも当然RDMAに対応したスイッチである必要がありますが、このスイッチの選定に悩むケースが出てくると思います。

しかし、Azure Stack HCI Sizerを使うと、サーバーとセットでRDMA対応スイッチも選定することができます。
単にRDMAを使ってストレージトラフィックが流れるネットワークについての考慮だけなく、 仮想マシンが利用するサービス用のネットワークやOOB(Out of band)いわゆるiDRACが接続するネットワークについても考慮して、選択すべきスイッチを示してくれます。 ネットワークの物理構成イメージをトポロジーで示してくれるのでネットワーク構成もイメージがしやすくなっています。




Azure Stack HCI Sizerによるサイジング結果から、要件を物理リソースへ落とし込めたら実際の機器構成(見積り)を行います。
機器構成については、パートナー様へ提供している Online Solution Configurator(以下OSC)を使うことをお勧めしています。

OSC はDell Technologies 社員もつかっているため、見積りのやり取りがスムーズになるのもメリットの1つです。
ハードウェア本体や各パーツの標準価格(定価)も確認でき、各パーツの納期(Lead Time)も確認できるので、 見積り段階でパーツ不足による納期遅延リスクなどもあらかじめ確認できます。 また、構成チェック機能もあるため構成ができないパーツの組み合わせなどはこの時点でエラーになるため、 後から構成を変更しなければならない事態のほとんどを避けることができます。

ハードウェア構成のリストについてはMicrosoft Azure Stack HCI向けDell EMCソリューションのサポートマトリクスが参考になります。
しかし、OSCでは動作検証済みのハードウェアから選択できるようになっているので、OSCを使うとミスなく構成でき、ラクすることができます。
また、特に構成上重要となるメモリやHDD/SSDなどについては第3章:要件に基づいた構成設計を行う(サイジング)でご紹介した
Microsoft Azure Stack HCI Sizerを参考にするのが良いでしょう。

また、検討した機器構成の消費電力も重要かと思います。
Dell Technologies では、実際の設置場所で使用可能な消費電力なのか、あらかじめ確認するためのツールが用意されています。

電力試算ツール: Enterprise Infrastructure Planning Tool
※ [Click here to Launch EIPT Web] をクリックすると起動します。

CPUやメモリ搭載など、機器見積もりに即したもので試算できるので重宝されています。
※Microsoft Azure Stack HCIのモデル名はPowerEdgeの製品名から選択して下さい。
(例:AX-640 → PowerEdge R640, AX-740 → PowerEdge R740)

構成時の留意事項としては、ディスク構成などによって選択可能なディスクや搭載ルールがあります。
例えば、3.5インチサイズのSATA Diskなど容量を重視する場合などはAX-740などの2Uのモデルを選択する事となります。
また、メモリ搭載ルールに加えて、SSDのキャッシュサイズなどはキャパシティサイズなどによって選べるSSDなどが異なりますので、
Microsoft Azure Stack HCI Sizerを活用して製品を選定していく事が良いでしょう。

またNICを追加する事も構成よって可能です。
Microsoft Azure Stack HCI向けDell EMCソリューションのサポートマトリクスなども参考してください。




◆BIOSパラメーター
 -RDMA設定(※例Qlogicの場合)
  ・リンク速度:SmartAN
  ・NIC + RDMAモード:有効
  ・RDMA操作モード:iWARP
  ・ブートプロトコル:なし
  ・仮想LANモード:無効

◆NICパラメーター
 -NIC RDMA (RoCEの場合) パラメーター
  NetworkDirect Technology ⇒RoCE もしくはRoCEv2
 -Storage Spaces Direct IPアドレス/Subnet/DNS
 -クラスタ管理IPアドレス/Subnet/DNS
 -Service LAN IPアドレス/Subnet/DNS
 -管理IPアドレス(iDRAC)/Subent/DNS
 -VLAN ID

◆Windows Server パラメーター
 -ホスト名
 -ユーザー名/パスワード/
 -ドメイン名/ユーザー名/パスワード
 -Firewall設定
 -リモートデスクトップ有効化
 -ページファイル設定

◆Windows Server 機能
 -Hyper-V
 -フェールオーバークラスタリング
 -DCB(DCBを利用して優先付けする場合)
 -ストレージ レプリカ(ストレッチクラスターの場合)
 -BitLocker(オプション)
 -ファイルサーバー(オプション)
 -FS-データ重複排除モジュール(オプション)
 -RSAT-AD-PowerShellモジュール(オプション)

◆Hyper-Vパラメーター
 -ライブマイグレーションネットワーク設定
 -仮想スイッチ設定
  アサインする物理NIC
  VLANID
  OSとのアダプタ共有
  SR-IOV

◆フェールオーバークラスターパラメーター
 -クラスタ名
 -クラスタ管理IP  -クラスタリング対象ホスト名
 -Quorum領域ファイル共有パス

◆Storage Spaces Direct パラメーター
 -ボリューム情報
 -ボリューム名
 -割り当て容量
 -冗長性(Mirror/Parity)
 -ファイルシステム(CSFVS_NTFS/CSFVS_ReFS)

◆Windows Admin Centerパラメーター
 -インストール先ホスト・インストールフォルダ
 -Azureサブスクリプション(Admin center経由でAzure 連携を行う場合)

ベストプラクティスの設定値については以下をご参照ください。
Best practices and recommendations | HCI Deployment Guide-Microsoft HCI Solutions from Dell Technologies | Dell Technologies Info Hub



Azure Stack HCIはDell Technologiesの導入サービスを利用いただくか、お客様にて導入作業を実施いただく形で実装することができます。

お客様にて導入作業を実施いただくにあたって、導入認定資格を保持していることや検証機材を保持していることといった諸条件はありませんが、以下が求められます。
 ・Azure Stack HCIの認定モデルであるAXシリーズにて導入を行っていただく必要があること
 ・導入ガイドに沿った手順にて導入作業を行っていただくこと

AXシリーズはPowerEdgeサーバーをベースとした Azure Stack HCI 専用モデルとなる機種ですが、元は同じ PowerEdge だから PowerEdge サーバーを選んでもよいと判断するのはお控えください。
PowerEdge サーバーで AXシリーズのサーバーと完全に同一の構成を組んでセットアップすることでセットアップは可能とは思われますが、 導入後にサポートサービスを利用することになった場合(主に障害発生時)にAzure Stack HCI 環境をAXシリーズではなく PowerEdge サーバーで構成していると問題が生じる可能性があります。
AXシリーズでは Azure Stack HCI 環境で動作認定しているパーツが使用されていますが、 PowerEdgeサーバーの場合、 Azure Stack HCI では認定されていないパーツが存在しています。
そのため、故障が起きた時にAXシリーズを使用していれば、保守部材は認定済みパーツの供給を受けることができますが、PowerEdgeサーバーで Azure Stack HCI を動作させている場合、 保守部材として認定済みのパーツの供給を受けられる保証がありませんのでご注意ください。
◆導入ガイド
構築を行う際に必要な導入ガイドは以下で公開されております。まずこちらをご確認ください。
HCI Deployment Guide-Microsoft HCI Solutions from Dell Technologies

導入前にActive DirectoryやDNSなどの情報、指定のFirmwareバージョンなどの サポートマトリクス といった事前に準備が必要なものの情報が記載されていますので、導入作業を行う方は上記の導入ガイドをよく読んでから作業を実施するようにしてください。



また、上記の導入ガイドからさらに詳細な内容を解説するガイドへのリンクが貼られているケースがあります。
例えば、Azure Stack HCIのネットワーク構成について、ストレージトラフィックと仮想マシンのトラフィックを分離させるべく物理NICのポートの使い分けをする非コンバージド構成と使い分けは行わないコンバージド構成についてです。
これはAzure Stack HCI環境のネットワーク構成をどのように設計するかにより、導入時に設定が異なる箇所になりますが、様々なネットワーク構成を想定してデザインパターンが書かれております。
ネットワークに限らず、このような詳細なドキュメントがある場合には必ず目を通してから、導入作業をするようにしてください。
Network Integration and Host Network Configuration Options



◆スイッチに関する導入パラメータ
第3章のサイジングの箇所でも紹介をしましたが、Azure Stack HCI 環境ではRDMAの利用が推奨されています。ネットワークスイッチにどのようなパラメータが必要なのか気になる方もいるのではないでしょうか。


Fabric Design Center というツールでは実際に実機に投入可能なネットワークスイッチのコンフィグを生成することができるので、こちらを活用してみてください。


Fabric Design Center
※以下はFabric Design Centerについての紹介記事です。
 サーバ、ストレージ、HCI向けネットワーク設計・構築支援ツール Dell EMC Networking 「Fabric Design Center(FDC)」 のご紹介
 ネットワーク設計・構築支援ツール 「Fabric Design Center(FDC)」 の実践編

◆管理ツールの導入
Windows Admin Center
Azure Stack HCI環境を管理するツールとしてWindows Admin Centerの導入を検討ください。Windows Admin Centerについての詳細情報はMicrosoft社が公開しておりますので、内容を確認の上、導入してください。
 Windows Admin Center

特にどこにインストールをして使うのかについては、導入後の運用フェーズに影響が出る話になりますし、導入前でもシステム構成に影響する部分となりますので、よくご検討の上導入をするようにしてください。
 Windows Admin Center 適切なインストールの種類


OpenManage Integration with Microsoft Windows Admin Center (略称OMIMSWAC)
Windows Admin Centerにプラグインする形で利用可能なツールとして、OMIMSWACがあります。
これを使うことで、Windows Admin Center上からハードウェアの詳細情報を取得して表示することができるようになったり、Windows Admin CenterからFirmwareの更新を行ったりというWindows Admin Centerの機能を拡張して利用することができるようになります。
Firmwareの更新といったライフサイクル管理機能を利用する場合は有償のライセンスの購入が必要となりますが、その他機能は無料で利用できます。導入手順は以下に記載がありますので、参考にしてください。
 Windows Admin Centerの拡張機能を使ってみる~その①~
 Windows Admin Centerの拡張機能を使ってみる~その②~


OpenManage Enterprise
ハードウェアの統合管理製品としてOpenManage Enterpriseがありますが、バージョン3.8(2021年12月現在最新)ではAzure Stack HCI についてのサポートの記載はあるものの、AXシリーズをサポートしている旨の明示的な記載がありません。
またOpenManage Enterprise の追加機能であるOpenManage Enterprise SupportAssistについても、AXシリーズについての記載がないため、OpenManage Enterprise製品の利用は推奨できません。


SupportAssist Enterprise
障害発生時にサポートへの自動通報、サポートケースオープンを実現する SupportAssist Enterpriseですが、バージョン2.0.70(2021年12月現在最新)では、AXシリーズはサポートされています。
SupportAssist Enterprise Version 2.0.70 Support Matrix
※SupportAssist Enterprise については、Secure Connect Gateway へのアップグレードを推奨しておりますので、お使いのお客様はアップグレードをご検討ください。


Secure Connect Gateway
SupportAssist Enterprise の後継となる製品としてSecure Connect Gateway という製品が提供されています。 こちらは仮想アプライアンス版とアプリケーション版の2種類が提供されており、それぞれサポートしている製品の範囲が異なります。 現時点(2021年12月時点)で最新バージョンである5.00.5を元にサポート有無を確認しました。

 ・仮想アプライアンス版
以下のサポートマトリクスのP22にAXシリーズの各種製品の記載があり、サポートされています。但し、サポートされるiDRACの Firmware バージョンの制限がありますので、その点もよく確認の上ご利用ください。
Secure Connect Gateway 5.00.05.xy – Virtual Edition Support Matrix

 ・アプリケーション版 以下のサポートマトリクスのP18にAXシリーズの各種製品の記載があり、サポートされています。 但し、サポートされるiDRACのFirmwareバージョンの制限がありますので、その点もよく確認の上ご利用ください。
Secure Connect Gateway 5.00.05.xy – Application Edition Support Matrix

各種の管理ツールについては、導入前にサポートの有無やバージョンを確認してから導入を行ってください。

◆既知の問題点
Dell Technologiesのサポートサイトに既知の問題について記載が出ています。 構築時に予期しない挙動をした場合は、KBを参照することで問題解決の糸口につながるケースがありますので、参照してみてください。
Dell EMC Solutions for Microsoft Azure Stack HCI – Known Issues

Azure Stack HCI環境はなんとなく触っても構築できるとは思いますが、導入ガイドにはDell Technologiesが検証した結果を元にした推奨設定が書かれていることもあり、 お客様にて導入作業をされる場合には必ずガイドを参照した上で導入作業をするようにしてください。




日々の運用では Microsoft と Dell Technologiesのサイトから情報を仕入れていただくことになります。

【Microsoft のWebサイト】
Microsoft の公開情報は基本的にDocs から情報を探します。
概要、クラスターの管理、ストレージの管理 など管理方法について多くの情報を収集することができます。
日々の運用管理についてはまず、Microsoft のウェブサイトを確認しましょう。

Docs.microsoft.com – Azure Stack HCIの ドキュメント

【Dell Technologiesのサポートサイト】
Dell Technologies は Azure Stack HCI の運用に必要な多くの情報を公開しています。
運用の中でファームウェアやドライバ、製品のマニュアルが必要になった際はサポートページから入手することができます。

Dell Technlogiesサポートサイト



上記リンクからサポートサイトに移動し、検索ボックスで ”AX-“ と入力することで、お使いのAXシリーズが表示されます。お使いの機種を選択して、詳細ページに移動しましょう。
  ※AXシリーズ (Azure Stack HCI の Ready Nodeつまり認定構成サーバのこと)

サポートページではファームウェアやドライバ、製品のマニュアルを入手することができます。
ファームウェアやドライバ類はメンテナンスを行う際には必要不可欠なものになりますので、入手先は必ず押さえておくようにしてください。

また上記検索ボックスにAXシリーズの各ノードに貼付されているサービスタグを入力することで、 お使いの機器のハードウェア構成情報や保守サポートの契約期間を確認することもできます。 お使いの機種名が分からず、サービスタグならわかるという方にはこの方法が活用できます。

【日々の運用管理ツール】
Windows Server HCI を運用管理していく中で主に使うものは3つになります。
以下3つを上手く活用しながら運用を行っていくことになりますが、一番重要なのは Windows Admin Center です。

■Windows Admin Center(WAC)
メインで使うツールで、仮想マシンの作成・削除など、日々の運用で使用します。
S2D ボリュームの切り出しなどもWACから可能になっています。

・Windows Admin Center についてのドキュメント
https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows-server/manage/windows-admin-center/use/manage-servers

・OMIMSWAC
WAC専用のプラグイン(OMIMSWAC:OpenManage Integration with Microsoft Windows Admin Center)を使うことによって、Windows Admin Centerからハードウェアの管理が可能になりますので、是非お使いいただきたい機能です。

■フェールオーバークラスターマネージャ
Windows Server 2008 のときから存在する昔ながらのフェールオーバークラスターを使っているので、補助的な位置づけで使用します。
クラスターディスクの所有者の確認などもフェールオーバークラスターマネージャから可能です。

■Hyper-V マネージャー
Windows Server 2008 のときから存在する昔ながらのツールです。
仮想マシンの細かい編集やHyper-Vそのものの設定変更時に使うことがあります。
補助的な位置づけで使用します。

【Dell Technologies作成のAzure Stack HCI 環境に運用ガイド】

Azure Stack HCI の運用ガイド一覧

Azure Stack HCI環境の運用にフォーカスした資料の一覧です。ライフサイクル管理・監視のことが記述されているものや、 WAC(Windows Admin Center)を使ったAzure Stack HCI環境の管理操作について書かれたドキュメントなどもございます。

ボリュームの作成の仕方やファームウェア・ドライバの手動更新のやり方、OSのリカバリー方法やiSM(iDRAC Service Module)の導入方法など、 日々の運用で使うことになる基本的な操作方法が記載されていますので運用前にも運用開始後にも有用な情報になっています。

Windows Admin Center(無償ツール)



【Azure Stack HCI環境におけるライフサイクル管理についての説明資料】

Dell EMC HCI Solutions for Microsoft Windows Server: Life Cycle Management Approach Comparison

HCI製品の多くの製品では、ファームウェアやドライバ、OSに対するバージョンアップ操作を楽にする機能が提供されています。 Azure Stack HCIにおいてもこれらライフサイクル管理を楽にする手法を利用することができますが、何が更新され、どのくらいの時間がかかるものなのか、 手動更新した場合と自動更新をした場合の違いを示した資料になります。HCI製品は不具合や脆弱性への対処だけでなく、様々な機能を追加していくために製品のライフサイクルが早い製品です。 HCI製品は安定稼働しているならバージョンアップは一切しないといった、いわゆる “システムの塩漬け” にはなじまない製品になりますが、Azure Stack HCIにおいてもそれは例外ではありません。

Azure Stack HCIを運用するにおいて、ライフサイクル管理をどのように実現するかを理解するための有益な情報が書かれた資料になりますので、ご一読ください。
運用の中で、ライフサイクル管理を自動化したときとマニュアルで操作したときの時間差を示しています。
AXノードが増えれば増えるほどメリットが大きくなってくるのがわかります。


【Azure Stack HCI の保守に関する資料】

Azure Stack HCI サポートサービス概要

Azure Stack HCI を利用する上でどのような保守サービスを受けることができるのか理解できる資料です。 一方でサービス対象外の記載もございますので、できることできないことを理解することができます。

エンタープライズ向けサポートサービス概要(ProSupport Plus)

Azure Stack HCI を利用する上で、ProSupport Plus という保守契約にご加入いただくお客様がほとんどで、 ProSupport Plusではどのようなサービスを提供しているのかを理解するための資料になります。

【管理ツール・UPSに関する情報】

Windows Admin Center を理解!
  Windows Admin Centerを使ってPowerEdgeサーバーを管理してみよう

故障時には自動通報!
  ハードウェア保守の手間から解放!「Dell EMC SupportAssist」のご紹介

Azure Stack HCI ではどのUPSを使えばいいの?
  Windows Serverだけで作るHCI Dell EMC Solutions for Microsoft Azure Stack HCI ~UPSソリューションズのシャットダウンボックスが完全対応!~

  もう迷わない!HCI環境のUPS選定 シャットダウンについて




Q:
2ノード構成から3ノード構成にスケールアウトできるか。
A:
いえ、サポートしておりません。
2ノードから3ノード構成に変更する場合はディスクレイアウトをデュアルミラーから3 Way Mirror に変更することを推奨しているため、
スケールアウト時にクラスタの再作成が必要になります。

Q:
ADサーバー(ドメインコントローラー)は必ず外部に必要か。
A:
はい。クラスター外にADサーバーが必要となります。
セカンダリのADサーバーは Azure Stack HCI 上の仮想マシンとして配置頂くことは問題ございませんが、プライマリのADサーバーは必ずクラスター外に配置頂く必要があります。

Q:
RDMA (Remote Direct Memory Access) を使う際にスイッチもDCB (Data Center Bridging) 対応でないとダメなのか。
A:
いえ、DCBを使わない非コンバージド構成の場合は不要です。
ストレージネットワークと他ネットワークを混在させて利用する場合、かつRoCEの場合は必要となります。 iWARP の場合はコンバージド構成でも不要です。

Q:
構築は PowerShell でないと実施できないのか。
A:
基本的には PowerShell を推奨することが多いですが、現状ですと Windows Admin Center から構築対象ノードへ疎通できるIPアドレスを事前に設定いただければ、
Windows Admin Center の GUI による Azure Stack HCI 構築も可能です。

Q:
増設時に既設ノードと異なるノード種類・パーツを混在させることは可能か。
A:
異なるノードモデル・パーツの混在は基本的にサポートをしておりません。
ただし、旧Azure Stack HCI ノード(S2D Ready Node)とAXノードは互換性があります。例えばR640 S2D RNとAX-640は同一機種として見なし、同クラスターに参加可能です。
なお、 Azure Stack HCI OSであれば 異なる CPU世代の混在が可能となっております。

Q:
RDMA で iWARP を使いたい時にどの AXノードなら対応しているか。
A:
Qlogic FastLinQ 41262に対応している AXノードは AX-740xd, AX-640, AX-6515 になるため、 iWARP 必須の場合はこちらのノードをご検討ください。
※2022/1時点

Q:
Azure Stack HCI上の仮想マシンに使用する Windows Server ライセンスはDell OEMが必須か。
A:
いえ、Dell OEMライセンスは必須ではありません。お客様が別途お持ちのリテールライセンスをご利用いただいても、
弊社のサポートサービスである ProSupport/ProSupport Plus に基づいて、OEMライセンスと同様にサポートサービスを受けることが可能です。

Q:
Microsoft Azure と接続ができない環境で Azure Stack HCI は利用可能か。
A:
Azure Stack HCI OSの場合、定期的なAzureとの接続が必須となっておりますので、
その場合は Windows Server 版の Azure Stack HCI をご検討ください。

Q:
Azure Stack HCI はブランチオフィスやリモートオフィスにも適していますか。
A:
はい。 Azure Stack HCI の最小ノード数は2ノードとなっており、
ネットワークケーブルのノード間直結接続や Azure Witnessなどを活用することによって小規模構成にも対応することが可能です。
※2ノードでもADサーバーは別途必要なことはご注意ください。

Q:
バックアップは Azure Backup の他に、サードパーティ製のバックアップソフトを活用できますか。
A:
はい。基本的にHyper-Vに対応しているバックアップソフトウェアであれば、ご利用可能です。
対応状況の詳細はバックアップソフトウェアメーカー様にご確認ください。

Q:
既存でデル・テクノロジーズの Windows Server OEM ライセンスを所有していますが、OEMライセンスを再利用して Azure Stack HCI OS に活用できますか。
A:
Azure Stack HCI OS 自体は無償提供されるOS になり、Microsoft Azure に接続することで月々支払することになります。
Azure Stack HCI OS には、仮想マシンとして稼働させる OS ライセンスは含まれておりません。
OEMライセンスは既にお持ちのハードウェアと紐づいているため、Azure Stack HCI OS上で利用することはできず、
実施する場合はAXノードと共にOEMライセンスもしくはリテールのライセンスをお求めください。

Q:
Windows Admin Center (WAC) とOpenManage Integrations with Microsoft Windows Admin Center (OMIMSWAC)は統合されていますか。
A:
はい。以前のWindows Admin Centerのバージョンですと、OpenManage のプラグインをダウンロードしてWindows Admin Center のフィードに読み込ませてから適用する必要がありましたが、現在は Windows Admin Centerにデフォルトで内包されているため、画面上から有効化していただくだけで利用可能です。



パートナーセールスエンジニア
片山 倫哉
川奈部 真
川口 直志
萩原 正樹

バートナーテクニカルセールス
頼 啓二郎
大川 竜司



   
       
   
       
   
    

 

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